遂に98回目です!自分でも呆れます。100回目でピリオドは打ちたいと思います!

では…コンクール問題。続きます。


以前の話にも繋がりますが…

「コンクール大好き」

で、エントリーする人も中にはいるでしょう。それに対して苦言も有るでしょう。

しかし、個人の自由ですから、それは誰かが物申す権利はない。いくら寒い日でも薄着が好き、という子に

「なんでそんなに薄着するんだ!ダメだよ!」

と強引に上着を見ず知らずの子供に着せるなんて、ないですよね(笑)

その子と、その子のお母さんは、もしかしたら薄着でいるのが好きなのかも知れない。だからそこにいちいち突っ込むのは変な話です。

だから本人が満足で良ければ…良いんです。

その一方で、本当はコンクールが嫌いなのに、誰かを振り向かせなくてはいけないが故にエントリーしている場合もあるのです。

親から

「コンクールで賞を取らなければ、バレエを辞めさせる」とか

学校から

「内申書に必要だから」とか

バレエ団から

「ビザを取るのに有利だから」とか

韓国なら

「国際コンクールで1位を取れば兵役免除」とか

……プレッシャーのなか、エントリーせざるを得ない人もいますし、賞歴にこだわりたくなくても、こだわらざるを得ない人もいるのが現状なのかも知れません。そのバックグラウンドも理解する必要があります。コンクールが良い、悪い、と単純に決めることは出来ないと思います。

以前にも書いたと思いますが、ある日本のバレエ団の公演を観に行ったとき、お客様が(たぶんバレエを知らないお友達を連れてきていたのでしょう)

「無理矢理、私の趣味に付き合ってくれてありがとう!今日の主役はね、ローザンヌ国際バレエコンクールでスカラシップもらった人なのよ。ほら、バレエを知らないあなたでもTVで放送されたからローザンヌくらいは知ってるわよね」

と、熱心に説明しているのを耳にしました。

聞いていて悲しくなりましたが、日本のバレエ団公演に(バレエを観たこともない)世間一般のお客様を劇場に足を運ばせるだけの決定的な「何か」が存在しない証拠でもあります。

「コンクールばっかり」
「コンクール乱立して」
「コンクール病?」

と言う方もおられますが、バレエと無縁、しかも出演者の身内でも、友達でもない新規のお客様を会場に足を運ばせるだけの魅力やチカラが日本にありますか?って話です。

先日開催されたYAGPは、もちろん身内がほとんど、とは言え、立ち見が出るほどの大盛況でした。

バレエ団の公演チケットが「売れない」半面、立ち見が出るほどの大盛況のコンクール。

バレエが「認知」されるためには、ある程度は仕方がなかった部分もあるのが今までの歴史を振り返ってみたら、コンクールを全否定は出来なかったわけです。

たとえば英国ロイヤルバレエ団のプリンシパル高田茜さん。ポアントで国内コンクールで受賞したのは9歳か10歳だった気がします。

そして現に日本からコンクールがきっかけでスカラシップをゲット出来ている子は15歳以下が大半。13-14歳でバレエシューズで、ヴァリエーションを踊っていたわけではない。すでにポアントを履いていてしっかり踊っていた子供たちばかり。その子供達がもし万が一、田舎のすみのお教室にこもって、海外の先生たちとの繋がりもなく、コンクールにも(WSにも)参加しなかった場合、いま活躍している子たちはバレエ界にいないかもしれない可能性があるわけです。

いまポアントやコンクール問題で、騒然としていますが、では実際日本全国、全員が全員騒然としているわけではなく、YAGPやコンクール、佐藤愛さんのdlsを通じて

「どうにか改善しなきゃ」

という動きが出ているので、まだ良いかも知れません。一番良くないのは、コンクールの現場(昔ではない!今の現場)にも足を運ばず、現状も、指導法も、まるで理解していないのに

「これは正しい」
「これは間違い」
「現状維持でいいではないか」
「現状維持はダメ!全部かえろ」

という意見(しかし、どれもが貴重なフィードバックではありますが)を安易に解釈すること…これが一番怖いです。自分の目でみて、肌で感じて、納得してから何かを決断すれば良いと思いますし、私自身このブログで言いたい放題言ってますが、自分の意見が「絶対」とも思いませんし、ブログのなかの私が「全て」とも思いません(この話は長くなるので、別のときに!)

コンクールも
学校も
指導法も

ゆっくり、ゆっくり改善すれば良いのであって、誰かが強引に変革しようとしても、人間ですから時間もかかりますし、誰かが誰かを裁くのは、結局誰も得しません。

私もどちらか、と言うと昔から強烈な「裁き癖」があるので(今は年も年なので、丸くなりましたが!)冷静に状況を判断しながら、このカオスのなか、知識を増やして、改善したいと思います。

左右木健一