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いつもブログを興味深く拝見させていただいております。バレエ歴7年になる小学四年生の娘がおります。

娘が通っているバレエ教室は、
某バレエ団が併設しているバレエ学校です。選抜制のプロ養成コースがあり、そのコースにはおそらく全国からオーディションを受けにくる生徒さんがいるのではないかと思います。娘は、3,4年生を対象とした新設の選抜コースにご縁あって所属しております。

さて、バレエ団付属校あるあるだと思いますが、基礎を徹底して繰り返すレッスンに重きをおき、その為娘の年齢ではヴァリエーションやコンテンポラリーの指導はありません。「原則としてコンクール指導はしない。」と記載があります。(ただし、出場やお教室のかけもち自由です。)

将来、バレエダンサーになりたいという娘の夢を尊重し、基礎重視のバレエ学校にてまっすぐに育ってくれればと考えていました。そして、そろそろ基礎の練習だけではなく、コンクール出場に向けて多彩なレッスンを受けさせてあげたいと思っております。その為ワークショップ等にも参加したいと考え、情報を得ている段階です。
しかし、一点気になることがございます。例えば左右木先生のお教室で開催されるワークショップには、コンクール出場常連者でないとついていけないのでしょうか?基礎ばかりのレッスンを受けてきた娘は、例えばまだピルエットはダブルがやっと、ポワントワークもバーレッスンばかりで、センターでは十分にはできません。このようなレベルの娘がいろいろなワークショップに参加して、ついていけなかったらどうしよう、恥ずかしい思いをして帰ってきたらどうしようと悩んでおります。例えば4年生でコンクール経験者ですと、大半の子がトウシューズでヴァリエーションを踊りますよね?それくらいのレベルでないと、参加する資格がないのかしらと悩んでいます。
コンクールに関する質問とは少し違うかもわかりません。しかし、コンクールに出場する機会がもてないバレエっ子には共通する悩みなのかなとも思います。お時間の許す際に、左右木先生のお考えをお聞かせいただければ幸いです。

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私のスクールでは、コンクールに参加しない生徒もワークショップを受講しています。モチベーションの差が全くなくて、むしろ「コンクール」にこだわらない生徒や親御さんが多いかも知れません(しかし、この形になるまで21年間かかりましたが!)

「例えば4年生でコンクール経験者ですと、大半の子がトウシューズでヴァリエーションを踊りますよね?」

4年生ですと、9-10歳ですが、YAGPが本年度より

「9-10歳はトウシューズ禁止、11歳は履かないほうが望ましい」

とレギュレーションが変わりました。これは今までの日本(に限らず世界中の)バレエ学校で賛否両論あり、一筋縄ではいかない問題になっております。

そして私もこの場において

「履くべきではない」

と偉そうに物申せるだけの権利も主張も(こちらのブログでは)公に発言を控えております。

しかし、これだけは言えるのは、トウシューズでヴァリエーションを小学4年生で踊れる、おどれない、はあまり気にされなくても大丈夫だと思います。

また

「ついていけなかったらどうしよう、恥ずかしい思いをして帰ってきたらどうしよう」

とお母様が心配される気持ちも、わからなくないですが、ワークショップとは

「ついていけること、出来ることをみんなの前でアピールしたり、自慢する場」

ではありません。ワークショップとは

「これは知っている」
「しかし知ってるつもりになっていた」
「全く知らなかった」
「理解出来なかった」

を「知る」場所であり、出来ないから「恥ずかしい」というのは、あまり建設的な考えではないです。

そして、受講者は自分のことで精一杯で、誰が出来るか、出来ないか、なんて見てる余裕もないはずです。集中しないで人のことばかり気にするなら話は別ですが!

誰だって

「知らないこと」

があります。私でも知らない事は山ほどありますし、完璧な人間でもないし、むしろ「無知」に近い人間だと思っています。

私が佐藤愛さんのセミナーを受講したときも、出来ないこと、知らなかったことだらけで、その「無知な具合」を他の受講者の皆様な大々的に披露しましたよ(笑)そして恥ずかしいなんて思いませんでした。知ったかぶりのほうが、よほど「恥ずかしい」です!

「知らないもの」を人前で「知らない」と言うのは、少し抵抗があるかも知れません。なぜなら日本という国は、そういう発言をするとイジメの対象になるから…陰湿そのもの。

義務教育ではなく、バレエなんて非常に特殊な習い事なんですから

「知らなかった」「出来ない」

が、当たり前だ、と思ってあげて下さい。そしてお母様自身も

「恥ずかしい思いを…」

というネガティブな思考ではなく

「知らなかったことを、学べて良かったね!」

と娘さんを励ましてあげて下さい!



左右木健一