ここでは具体的すぎて載せられない質問を、先日書きましたが、まだまだあるのです。

1番多かったのが、親御さんの不安。

「このまま娘(息子)がコンクールに出続けて、バレエを続けさせていいのか?」

「うちの娘(息子)にバレエの才能、ないのではないか?」

……この考え、即刻やめたほうが良いと思います!

バレエという非常にハードルの高い芸術に対して、そんなに思い通りにいくわけもなく、プロになったとしても、私のように教師になったとしても、毎日毎日壁にぶち当たります。

「これで安泰」

なんて日が、一日もない世界なんです。それを知らない人があまりにも多すぎます。

自分のあまりの出来なさに落ち込むこともありますし、上には上が山ほどいる現実も、いやと言うほど毎日見せつけられる。毎日が「コンクール」みたいなものです。

そんな思いを小学生のうちから抱え、しかし「バレエが好きだから」という思いで、毎日毎日鏡に映る自分の姿(それが理想とは違っていたとしても)にかすかな希望と果てしない絶望のなか、日々戦っているにも関わらず、親御さんがネガティブな波動を送る必要がありますか?

私が指導してきた経験上、やはりポジティブな波動を送り続けた親御さんのお子さんは立派に成長していますし、その逆だとあまり良い風の便りは聞きません。

環境が悪いのでもなく、指導者が悪いわけでもなく、色んな環境が整っていたにも関わらず、親御さんのネガティブな波動によって子供たちのせっかくの幸運が閉ざされるケースは、世界共通です。

コンクールで受賞したとたん、親御さんが豹変して、スカラシップを数カ所から頂いていたにも関わらず

「うちの子はもっと上を狙える」

となり、本人の意思そっちのけで親御さんが勝手に留学先を決めてしまい、結局バレエを辞めてしまう海外のケースも何件も耳にしました。

私も親なので、親としての気持ちは良くわかります。なんとかして環境を整えてあげたり、少しでも障害を取り除いてあげたい、と考えるのは親として当たり前の感情です。

しかし、そこで過剰なまでに子供のやることなすことに手を差し伸べたりすることが、果たして子供にとって幸せかどうか、と考えた場合、あまり良い結果に結びついていない事例を指導してきた20年間で垣間見ましたから、私自身の親としての教訓にも繋がっています。

お子さんが

「バレエなんか大嫌い!」

と心底親御さんに言ってるならまだしも、好きでどんな苦労も乗り越えて頑張っていこう、と決意を固めている最中に

「このままバレエを続けてもいいのか?コンクールに出続けていいのか?」

みたいな親御さんの気持ちは、ある意味お子さんを全否定しているようなものです。

これから頑張って山に登ろうとしている子供の髪の毛を後ろから引っ張って

「登れそうにないんだから、もうやめたら」

と言ってるのと同じです。もしかすると1人で山に登って欲しくなくて

「自分と一緒にいて欲しい」
「自分だけふもとに取り残されるのが嫌」

という子離れできない感情かも知れません。

「コンクールに出させて あげてる
「バレエを習わせて あげてる

の「あげてる」という言葉。確かに出資元は親ですから「出してあげてる」かも知れません。

しかし親であれば、子供をサポートするのは当たり前のことであり、それを「してあげてる」は、ないと思います。

コンクール…

必要であれば参加すればいい。不必要なら参加しなければいいんです。


このような場で学びたい、と思うのであれば参加すべきですし、親御さんが「その必要は、いまはない」と思うのであれば不参加もありなんです。

バレエが原因で、人間関係がギクシャクしないように…

バレエでhappyになれるように…

強く、強く願っています。

左右木健一