<Q>

はじめまして。左右木先生のブログはとても参考になるため、いつも楽しみにしています。

私は22歳、バレエ歴16年、コンクール歴5年です。
就職活動などがあったため、最後にコンクールに出たのは昨年の夏です。

コンクール出場レベルに関してのご質問です。

私の教室では希望者全員がコンクールに参加可能ですが、選抜メンバーのみ参加可能なお教室が多いように感じます。

バレエは努力が実を結ぶ世界ではないため、私の教室には予選落ちや最下位ばかりになられる方もいらっしゃいます。
普段通り踊れたにも関わらず、他の出場者と大差がある場合も多いです。

そのような姿を見ていつも私が考えてしまうのは、そのレベルでそのコンクールに出場することは正しい判断なのかということです。
自分とレベルが明らかに異なる方々ばかりが例年出場するコンクールへの出場に関して、左右木先生はどうお考えですか?
どうしてもそのコンクールに関わりたいのであれば、出場者としてではなく観客としてコンクールに関わることもできると思いますが、その点はどのようにお考えでしょうか?


また、私はバレエとは無縁の分野に就職し、おそらくこれまでほど練習時間を確保することはできないと思いますが、刺激を受けたりするためにまたコンクールに出場したいと考えております。
審査員の方々は、たくさんの人数を何時間も採点しなければならない大変なお仕事をされていると感じるのですが、このような出場者は審査員側としてはご迷惑でしょうか?


<A>

まずは

「このような出場者は審査員側としてはご迷惑でしょうか?」

迷惑?とんでもないです(笑)しかし悲しみを感じることはあります。

例えばポアントのリボンの結び方、シニヨンの結い方などの舞台マナー。

これは子供たちの責任ではなく、指導者の責任です。きちんと指導されていない、というのが舞台に登場した瞬間にわかります。そして、それは非常に悲しいことです。

「バレエは努力が実を結ぶ世界ではないため、私の教室には予選落ちや最下位ばかりになられる方もいらっしゃいます」

という内容ですが、コンクール Part 83 にも書いた通り「頑張った努力」の頑張り方が違えば、実は結ばないです。

押して開くドアを引いて「開かない!」と叫んでいても仕方ないですよね。間違った努力が実るわけがない。舞台マナーを始め、正しい知識と正しい努力の仕方をすれば実を結ぶはずです。

「普段通り踊れたにも関わらず、他の出場者と大差がある場合も多いです」

その「普段通り」が正しい方向に向かっていなければ、評価はされないでしょう。

このシリーズでも、他の記事でも、何度も書いていますが

「選択は個人の自由」

です。どのような練習方法だろうが、どのようなスタンスだろうが、それを

「絶対、こうあるべきです!」

とは断言出来ません。指導者の先生のポリシー、親御さんの子育てのポリシー、子供たちの自己主張を、誰かのチカラで統一させることも出来ないです。

当たり前ですが、コンクールには criteria が存在します。

これだけコンクールが山のように存在する今では、criteriaを統一するわけにもいきません。

正しい身体の使い方にフォーカスを当てるのか。

踊り心にフォーカスを当てるのか。

完成された踊りにフォーカスを当てるのか。

未完成だが将来性にフォーカスを当てるのか。

などなど…criteriaもそれぞれです。

もしかして順位が毎回最下位でも、指導者のポリシーに疑問を抱かない参加者にしてみたら、たぶん貴女が仰るような

「自分とレベルが明らかに異なる方々ばかりが例年出場するコンクールへの出場」

は、何の問題もないのだと思います。そしてそれは間違った指導法が悪いとも、そのようなレベルの参加者が悪いとも、言えません。

しかし貴女が疑問を抱くようであれば、選択肢がこれだけある今、貴女が納得出来るコンクールの出場の仕方をすれば良いと思います。

「個人の選択の自由」は認められる一方で、参加者がコンクールの criteria や結果に異議は唱えられません。

全ては「ゴールはどこなのか?」で、変わると思うのです。

あ…またまた出てきましたね!

「あなたのゴールは何ですか?」

コンクールにエントリーするなら、絶対に必要な考えです。そして、その「ゴール設定」を決めるのは、ご自身です。頑張って下さいね。

左右木健一