<Q>

はじめまして。いつも勉強になることばかりで毎回欠かさず拝見しております。
数年前からコンテンポラリー部門のコンクールにでる方が増えている気がします。
コンテンポラリーといってもネオクラシックや新体操っぽいものなど色々ありました。
そんな個性が違う作品のなかで
審査員の方々は何を見て審査するのでしょうか?
初めてみる振付で動きもクラシックのように決まっていないので不思議に思いました。
お答えいただければ幸いです。
これからも投稿楽しみにしております。



<A>

とても素晴らしい質問!はい、お答えします。

「個性が違う作品のなかで審査員の方々は何を見て審査するのでしょうか?初めてみる振付で動きもクラシックのように決まっていないので不思議に思いました」

まず、私は(ですが、私は、ですよ!)

振付は一切審査の対象外です。なぜなら「振付コンクール」ではないからです。

ですから日本独特の現代舞踊の振付から、ネオクラシックな振付から、ヒップホップのような振付から、新体操のような振付などなど…

その振付を審査してるわけではないです。

一番見ているのは、その与えられた振付を解釈して、演じられるかのキャパシティ、アビリティがあるか、ないか?を見ています。

実際に…(毒舌になりますね 笑)

バレエ団に入っていたら、趣味の悪い衣裳を着せられて、何のコンセプトもない振付、心すら動かされることない音楽で

「踊れ!」

と言われます。はっきり言って非常につまらない作品も踊るのも「仕事」のうちです。

しかし、そのつまらない作品を、優れたダンサーたちは超越して見せることが出来たりします。

これが「コンテンポラリー部門」の(私の)審査基準です。

どのような振付とかは、関係ないです。

いかに舞台に出てきて、本人がお客様を感動させるだけの技術、内面が備わっているか、が鍵です。

もちろん作品が良ければ、ある程度の評価も自然と高くなりますが、いくら素晴らしい振付家の作品を踊っていた、としても内面の充実がなければ、むしろ評価は下がります。

クラシックバレエ…特にコールドバレエの場合は、やはり「揃う」ことが前提ですから、身長、体型は非常に重要になります。

日本の子供たちは、やはりクラシックバレエが大好きなのですが、もし将来自分がバレリーナになりたい、と思った場合は現実をよく見ないといけないと思います。

平均身長が170cmのバレエ団に、150cmのダンサーが入団出来ない場合もあるかも知れないですし、もしソリスト枠で入団出来たとしても、数人で踊ります、となった場合、ひとりだけ背が小さいとなれば、いくら実力が備わっていてもキャスティングされない場合がある…

クラシックバレエには残念ながら、型があります。160cmの男性が175cmの女性を相手に王子様は踊らせてもらえません。

しかし、コンテンポラリーは別!身長、体型、国籍、関係なし!本人の実力と振付家の相性が良ければ、みんなチャンスがある。

「自分は背が低すぎる(高すぎる)からダメだ」

ではなく、ただ単にクラシックバレエ中心のバレエ団の基準には満たないだけであり、そこにしがみつくのではなく、自分だけにしか出来ない世界を確立出来れば良いのではないでしょうか?

コンクールのコンテンポラリー部門は、そのような意味もある、ということを是非覚えておいでくださいね。

左右木健一