本日は質問コーナーの前に、改めて皆様に読んで頂きたいことを書きますね。

まずは

佐藤愛さんの記事をお読み下さい → こちら
ちなみに愛さんのコンクールに対する考えは、ネガティブです。そして、それはごもっともです!


引用しますと

出場するな!って言っているんではないんです。

ただね、

体ってひとつしかないんです。

そしてそのひとつしかない体が最終的にプロとアマを分けるんですよね?

何があなたのゴールですか?


コンクールが悪いわけではない、と私も思います。悪いと思っていたら審査員なんてお断りしますから。

「コンクール」にエントリーしないとわからないこともありますし、審査することで今まで見えて来なかった問題点が浮き彫りになったりします。

例えばトウシューズのリボンの結び方、結び目の処理、かがり方、など。

私は男性ですから、現役時代はトウシューズのリボンの知識なんて、女性ほどなかったです。

しかし、指導者として、ましてコンクール審査員を務めるのであれば、当然知っておかなくてはいけません。

私が生徒たちをコンクールにもエントリーさせず、審査員も務めていなければ、疑問も抱かないまま、指導していたかも知れません。生徒も同じです。

トウシューズの立ち方、履き方を審査される、となれば、適当に履くわけにはいかないから、指導者も生徒も考えるはずです。

ジャンプのあるヴァリエーションでしたら、着地に気をつけないと、一歩間違えたら大怪我です。ですからジャンプを「審査される」のです。ジャンプの高さではないですよ。ジャンプで踏み切る足のターンアウト、空中での姿勢、着地したときの柔らかいプリエ、など。

JBCの趣旨も引用させて頂きます。こちらも是非理解して頂きたいです。


コンクールは、回転数や派手なジャンプを競う場ではないのです。

バレエ芸術を体現できるダンサーになれるよう、勉強、挑戦する場です。



よく、先生方から

「派手に踊らないと、コンクールでは評価されないから、派手に踊らせようと指導してしまうのですが…」

というお話も聞きます。派手が悪いわけではないです。もちろん地味に踊る必要もない。しかし華やかな部分は、土台があるからこそ「華やかさ」が輝くわけで、土台のないところで「派手さ」を追求してはいけない、と私は思うのです。

しかし、指導者の先生方が悩まれるのは理解出来ます。実際基礎がないのに上位入賞している場合

「結局、審査員は基礎が大事と言いつつ、派手な参加者を評価するのですか?」

と…そのへんはこちらをご覧ください。

審査員も人間ですし、評価する価値観もそれぞれ違います。ですからコンクールの審査員で人数が多いのは、少人数の偏った価値観ではなく、審査員それぞれが見落としている部分を補うためにも審査員数が多いほうが良い、という考えなのです。

私個人の意見が「絶対」ではないです。より良い質に高めていくためにも、そして「子供たちの身体はひとつしかない」ということを考えていけばいくほど、従来問題視されていなかったことは、見直す必要があると考えておりますし、私自身が築き上げたことを全否定しなくてはいけない場合もあるのです。

そしてそのような「見直しの場」がコンクールでもあるのです。

審査基準の見直し、指導内容の見直し、参加者の進むべき方向性の見直し…山ほどあります。


愛さんの言葉

「何があなたのゴールですか?」

の「あなた」の部分。

参加者、指導者、親御さん、審査員

と置き換えてみてください。

……この各々の「ゴール」が、まるでバラバラな場合に

「コンクールの弊害」が生まれるわけです。

バレエ界全体の問題でもあり、ここは真剣に改善していかないといけないと危機感を感じております。

左右木健一