本日はコンクールの「裏」のお話です。

参加者や親御さん、指導者にはわからないことをお話します。

実は私もコンクールの裏方をお手伝いしたことはございます。本当に大変な作業です。

表彰式の原稿作りや、各団体への参加要項や変更事項の書類作成、演目や分数の変更手続きや、棄権者のチェック、出場者の袖への入場制限、逆に出番が近いのに袖に待機していない出場者を楽屋を回って探したり、審査員の先生方の送迎手配、賞状、賞品の確認、楽屋後片付けなどなど…

裏方の皆様あってのコンクールです!本当にお疲れ様です!


参加者は一曲踊り終われば、それで終わります。

しかし、裏方は朝早くから夜遅くまで…しかもコンクールが終了した翌日からが更に戦争です。

トロフィーが間違っていた、賞状の名前が違う、賞品が違う順位の人と入れ替わっていた、などなど…表彰式を欠席した参加者に賞状やトロフィーなども郵送する必要がありますし、いつまでも続く作業。

そして何百曲にも渡るアナウンス、表彰式直前に渡される(もしくは表彰式最中に渡される)原稿を読まなくてはいけないアナウンスのお仕事は、想像を絶する集中力が必要だと思います。

舞台監督さんをはじめ、リノリウムの搬入、音響さん(こちらのお仕事も非常に神経がすり減るはずです!)舞台スタッフの皆さんも朝から晩まで本当に大変!

出場者が使った楽屋の椅子が、勝手に違う楽屋に移動してあったり、楽屋、ロビー、客席があまりにも汚かったり、入場者制限がうまくいかずに他所のイベントと重なり、ロビー自体がぐちゃぐちゃになったり、退館時間を過ぎてしまったりした場合など…会館からのお咎め、警告など、ありとあらゆるクレーム処理はすべてコンクール主催者にふりかかります。

ある国際バレエコンクールでは、参加者の使っていた楽屋、ロビーなどに散乱していたゴミがあまりにも酷すぎて、ついに会場使用停止になってしまったケースも…バレエ以前の問題です。

「コンクール」とは、そのような「公共の場」をどのように使用して、どのように後片付けをして、その場を去るか…を教師や親御さんが指導する場としても活用できるのではないでしょうか?

気心知れたお友達ばかりの自分のスタジオの発表会とは違いますから、楽屋、リハーサル室、すべての場所で他人に気を使う必要があります。

リハーサル室は狭かったりしますから、そこで練習するわけでもなく座り込んで場所を占領している参加者に対しての注意は、指導者の責任になりますが、参加者が多いと指導者の目が行き届かない場合もあるでしょう。

そして大半が子供の参加者ですから、そんなに毎回毎回「お利口」でいるわけにもいかないでしょうし、時にはお互い迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。

ホテルの遠征などは、修学旅行状態となり、廊下に響き渡るくらいはしゃぐ声が非常にうるさくてバレエコンクール以外で宿泊しているお客様からのクレームもたくさんあるみたいです。

それもこれも、教師や親御さんがしっかりと監視して、根気強く教育することで改善していくしかない。

「踊りさえ良ければ良い」

のではなく、舞台に出ていない時のほうが大事かも知れません。

なぜなら、コンクールで脚光を浴びるのは10歳から参加していたとしても、せいぜい25歳くらいまでの15年間くらい。その後はもしかしたら裏方、指導者、自分が結婚して子供が産まれたら親として付き添うかも知れない。そこで価値が認められるのは「バレエ」ではなく「マナー」です。踊らないわけで、あくまで裏方ですから「踊りさえ良ければ…」では通用しない。

その日が来るまで、裏方さんの「苦労」を子供の頃から観察して、勉強出来たとしたら?

たぶん世の中のお役に立てる立派な社会人に成長出来ると思います!

左右木健一