<Q>

お忙しいところ恐れ入ります。バレエを学ぶ中学一年生女子の母です。毎回ブログ拝読しております。読む度に、左右木先生は本当にバレエと共に生きてこられたのだなと感じずにはいられません。バレエを学ぶ者の胸に突き刺さるお言葉をいつもありがとうございます。

質問させていただきます。コンクールとは関係がない事なので、答えてはいただけないかなと思いつつ、思い切って質問したいと思います。

娘は中学一年生バレエ歴は五年です。普段のレッスンに加え、休日を利用し外部の講習会やWS、オープンクラスに参加しています。外部のレッスンに参加するうちに、「いつも受けているレッスンは正しくないかも、、、」という思いが湧いてきてしまいました。
特に小学校高学年になるとレッスンが急に難しくなり、運動神経がよい?生徒は動き切れますが(正しく動いてるかはわかりません)そうでない生徒は動きを追うだけで必死になってしまいます。動けなかったらそれで終わりです。トウシューズクラスでもクラシックVaに出てくるような高度なテクニックを練習する事が多く(恐らくVaが踊れるようになる為に練習しているのだと思います)しっかり立つという事は疎かになっているように感じます。
これは、左右木先生が仰るところのダメなレッスンではないか、、、と母娘で思うようになりました。このままでは身体をダメにしてしまうと感じ、レッスン回数を減らしました。
思いとしては他のスタジオへ移りたいのですが、地方の田舎在住ですので移る場所(スタジオ)がありません。やめてしまうとレッスンする場所を失います。でもバレエは続けたい!正しいレッスンを受ける楽しさ、喜びを知ってしまっているので、その思いはますます強くなります。
月に数回外部で正しいレッスンを受け、地元スタジオへはその学びを忘れない為に身体を動かしに行く。そんなレッスン方法で良いのか果たしてそれが可能なのか悩んでます。

地方でバレエを学ぶ生徒はスタジオの選択肢も限られています。選択肢がほとんど無い場合もあります。そのような環境の中でどのように学んでいけば良いのか、左右木先生のお考えをお聞かせ願えませんでしょうか。






<A>

「正しくないレッスン」

バレエを知らない親御さんにしてみたら、何が正しくて、何が正しくないか…判断できないですよね。


以下に記載することは、私個人の意見ではなく、全国各地の問題をまとめたものですが、この意見が「絶対正しい!」というわけではないですので、参考までにお読みください。


「情報がアップデートされていない」

「国内外の教師との交流が一切ない」

「生徒たちのレッスン態度が非常に悪い(挨拶しなくても先生は怒らず、ただ笑ってるだけ)」

「発表会、コンクールの練習中心で、レッスンをきちんと行わない」

「親御さんのリクエストには何でも答えてしまう(低学年でトウシューズを履かせたり、週1回くらいしかレッスンに来てないのに、コンクールにエントリーさせる)」

「留学させたり、他所のワークショップを受けることに大反対する」

「トウシューズがまともに立てないレベルでも、男性とグランパドドゥを踊ることを許可する」

上記のようなことは、昔はさほど問題視されていませんでしたし「趣味の習い事」レベルでしたら、アリだったのかも知れません。スポーツクラブやカルチャーセンター、サークル活動でしたら、そこまで厳しく指導されたくない親御さんもいるのが現実ですから。

しかし、お母様のように「この状況は、少しおかしいかも…」と気付かれる方が増えてきました。これは良い傾向だと思います。

「どうせ習い事のひとつだから、家の近所で通えれば良い」

と親御さんがリサーチなしで入会させたら、クラシックバレエのスタジオではなく、児童舞踊だった、という話だったり、教師の経歴を見ずに入会したら、実はバレエ団に所属した経験どころか、大人からバレエをはじめて一週間で公民館を借りてバレエサークルで教えはじめた方のところでバレエを習いはじめた、など…耳を疑いますが、そんな話も聞きました。

「地方でバレエを学ぶ生徒はスタジオの選択肢も限られています」

とのお話ですが、実際どのような地域にお住まいかわからないので、曖昧には答えられないのですが…

本当に真剣にバレエを習いたい、でも環境が住んでいる町にない場合は、新幹線通学したり、 週末に飛行機で通ったり、家族で転勤を考えたりする方はたくさんいます。

現に、私のスクールでは高校を通信制にして引っ越してきた高校生、お祖母さんと引越しして転校してきた小学生、車で往復2時間かけて通う小学生などがおります。

もちろんそこには経済的な問題をクリアする必要がありますが、もし本格的に習いたい場合(しかし通えない場合は)お引越しすることも考慮するのも一つの選択肢だとは思います。

「親だったら、自分の子供の教育環境を整える義務がある」

とは思いますが、不可能な部分も必ずあるはずです。

無理な決断は禁物だと思いますが、時間は取り戻すことは出来ません。早い決断をしないと、結局

「バレエを習っていました。でも間違ったレッスンを10年続けて、何も残っていない」

というのは悲劇ではないでしょうか?

「今、ご家庭でサポートできるベスト」を尽くすことが大事だと思いますので、もし本格的にバレエを学びたい場合は、ぜひ「家族会議」をして、娘さんの一番ベストな環境を整えてあげて下さいね。

「10代は二度と戻らない」
「10代で間違ったベースは、大人になったら歪みが生じる」

それくらい、親が子供の環境を整えるのは大事ですから。「ただの習い事」と安易に考えていないお母様は素晴らしいです。ぜひサポートしてあげてくださいね。


左右木健一