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いつも楽しくブログを拝読させていただいております。
私はバレエダンサーを夢見る高校1年生の息子の母です。
このような貴重な場を設けてくださりありがとうございます。的外れな質問になってしまうかもしれませんが、折角の機会、思い切って投稿させていただきます。

コンクールについて、、そこに挑む目的、覚悟、姿勢、親の立ち位置、先生が書かれたこれまでのブログ記事を読み、知らなかったこと、親としてもハッとすることも多く大変勉強になりました。
息子は現在、目指すものに向けてレッスン中心の生活をしており、近い将来は留学もしたいと考えているようです。実力はまだまだですが本人の意志は強く、通っている教室のレッスンに加え、オープンスクール(教室の先生の許可をいただいて)やワークショップなどにも参加しています。コンクールにもこれまで何度か参加したことがあり、本人が自分の状況を把握するのに大変有益でした
同年代の他の子たちと比べるとバレエ歴が浅いこと(始めて5年)もあり、今は着実に実力をつけたいとコンクールへの参加しようとは考えていないようですが、この先、留学やプロを目指す時、やはりコンクールは選択肢の1つとして検討した方がよいのでしょうか?他の選択肢があるかも含めメリットやデメリットを今一度教えていただけますでしょうか?加えて、コンクールへの参加は何歳ぐらいまでが適しているのでしょうか?

先生のブログを通してプロの厳しさや日本でのバレエの在り方(舞台芸術全般に言えることかもしれませんが)が欧米諸国とは大きく異なることは素人なりに感じています。
実際、中学3年の進路選択でバレエを学ぶための進路にどのようなものがあるか親子で色々と情報を集めた時にも、その難しさを部分的にですが痛感しました。
最終的にはどうしてもバレエ中心の生活をしたいと周囲を説得、通信制の高校を選択し、先述のような形で約週5日バレエレッスンという生活をしています。
通っている教室は習い事のひとつとして通っている子が大半ですが、先生方は基礎を大事にした丁寧な指導、適切なアドバイスをくださっていると感じています。
ただ、周囲に同じような状況の方や比べる存在がいないので親としては戸惑うことがとても多く、進路決定した後の今もこれでよかったのか不安や迷いがないと言えば嘘になります。
本人の決意を尊重したいですし、実際に決断するのは本人ですが、親として提示できる選択肢についての情報は心得ておきたいと思っています。
不躾な質問、どうかご容赦ください。
お答えいただければ嬉しく思います。
よろしくお願いいたします。


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まず

「どうしてもバレエ中心の生活をしたいと周囲を説得、通信制の高校を選択し、先述のような形で約週5日バレエレッスンという生活をしています」

という選択肢が認められて、良かったですね。

私が子供の頃は、そんな選択肢なんて言語道断で、奨学金で高校に通っていた私は

「絶対に卒業しなくてはいけない」

みたいに親や周囲から言われて、我慢しながら高校卒業致しました。

小中高一貫の私立校だったのですが、卒業するまでの間、毎日のように学校の先生からイヤミを言われてきました。

「部活に入らないお前はカタワ(こんな酷い差別用語を昔の教師は平気で喋っていました)」

「バレエでなんか、食べていけない」

「大学行かない奴は人間じゃない」

…酷いですよね。ですから私は通信制の選択肢は良いと思っています。しかし、そこには覚悟が必要だったことでしょう。

残念なことに、日本のなかでは「劇場に通うのは、社交や商談の場」というヨーロッパでは当たり前の事が認知されておりません。学校教育も社会に比例していて「劇場に通う」という教育など、なされていない話を聞きます。

ですから学校の先生や、古い考えの人たちからしたら

「バレエなんてやって、将来何になるんだ?」

と、なるわけです。皆、安定を望んでいますから(そんな安定神話、とっくの昔に崩れたの
に…)

四年制の大学を卒業した(日本の社会では)ご立派な人たちよりも、バレエ留学した中学生、高校生のほうが英語、ドイツ語、フランス語を流暢に喋れるのはご存知ですか?

大学四年間、遊び呆けている人たちとは違い、バレエ団就職を目指して懸命に毎日努力している若者だっています。

きっと一般常識(常識なんて…誰が決めたんだかわかりませんが)からしたら

「通信制にしてまで、バレエをやらせるなんて」

と思われるかも知れません。しかし、いくら全日制高校を卒業して、ご立派に大学卒業しても、何の夢も希望も持たないまま、親や周囲の敷いたレールに乗っかってるだけで、まるで廃人のような社会人がたくさんいる話は、よく聞きます。

何が幸せで、何が不幸せか、なんて誰にも言われる筋合いはないはずです。

ですから、強い意志で決断したからには、息子さんを信じてあげてください。

親がブレると、その波動が子供に伝わる、という話も聞きます。ですからまずはお母様がぶれずに、日々の健康状態をサポートしてあげることに専念してみてください。

そして、どのような結果になっても、受け止めてあげる…

これが本当の愛情だと思います。

子供の人生に保険をかけてあげても、崩れるときは崩れます。

保険をかけなくても、成功する人はいます。

「地に足をつけて、決断したことは、なにがあってもブレない!」という強い意志があれば、大丈夫です!

竹島由美子さんと私。
お互い将来の夢はたくさんあり、しかし保険はかけていませんでした。あまり深く考えていなかったかも(笑)


しかし、自分でこの道を選んだのだから…という覚悟がありました。

10代のうちは守りに入るのではなく「攻めていく」べきですし、それを親が足を引っ張ってはいけない…私はそう思います。

左右木健一