<Q>

いつもブログを楽しみにしております。
中1の娘も更新されると必ずチェック。

これからの時期あちこちでコンクールが開催されますが、スカラシップについて質問させていただきたいと思います。よろしくお願い致します。

コンクールのスカラシップは現地へ行くと生徒は日本人ばかりで先生が海外の先生ということを聞いたことがあります。現地でフルスカラシップを得るチャンスもあるかと思います。日本人ばかりなのは全てのコンクールのスカラシップでないということは分かります。

ならば日本で行われる海外の先生の夏期講習と余程違う内容のレッスンなのでしょうか?
キャラクターダンス、コンテ、ピラティスなど
色々なレッスンがあるかと思いますが…

参考に教えていただきたいと思います。


<A>

現地へ行くと生徒は日本人ばかりで先生が海外の先生ということを聞いたことがあります」

そうですね。日本人の割合が多いのは事実ですが、日本人ゼロのサマーインテンシブもございます。現に、私の生徒がいまサンフランシスコバレエスクールのサマーに行ってますが、日本人男子、ゼロだそうです。


「日本で行われる海外の先生の夏期講習と余程違う内容のレッスンなのでしょうか?」

国内の夏期講習、現地のサマーインテンシブ。

内容自体は各学校の方針で同じかも知れませんが(日本の開催だから日本人向けに、というのもあるかもしれませんし)一番の違いは現地の子供たちと一緒に受講することや、教師陣の人数、開催期間ではないでしょうか?

国内の夏期講習は、各学校から日本に来日する教師は1人か2人ですが、現地に出向けば名前も顔も覚えられないくらい、たくさんの教師陣がおります。と、言うことは日本に来日しない先生のレッスンがたくさん受けられる、というわけです。

また、国内で数週間連続、寮生活で親元離れた夏期講習、ありますか?それ自体が内容がまるで違います。

海外のサマーインテンシブの強みは、期間の長さです。日本と違ってアメリカでは6月から2カ月近く夏休みがあり、そのうちの数週間を学校の寮で過ごしながらバレエを学ぶ、というのが「サマーインテンシブ」長いと5週間近く!

国内で、しかもレッスン内容を英語を訳してくれる通訳の方もいなかったりするなか(最近では、あまりにも日本人が英語を理解できないため、通訳をつけることがあるみたいです。恥ずかしいことなのですが…)寮生活をしながらレッスン。

日本人が多いと、確かに

「これなら日本にいるのと変わらない」

となりますが、日本人がいなければいないで、強烈なホームシックにかかる子もいる話しは聞きます。

現地に出向かないとわからないこと、たくさんあります。

日本と違い、銃社会のアメリカでは、学校の方針にもよりますが、まず子供1人で出歩くことが禁じられています。必ず団体行動、親の許可がない限りは寮から外には出られません。

ヨーロッパは比較的自由なので、お酒を飲んでしまう子もいます。学校側もアメリカほど厳しく外出を制限したりしないので、親御さんの事前の厳しい教育が必要です。

ロシアも昔に比べたら非常に便利になった、とは言え、浮浪者が歩いて危ない場所もあります。

そのようななかでの数週間のサマーインテンシブなのか、日本国内のレンタルスタジオなどで開催される数日間の夏期講習…

内容はともかく、趣旨が違うのはお分かりですか?

「スカラシップ、入学許可」が、コンクールで身近になったことは画期的です。昔は現地に出向くか、ビデオオーディションでしか、入学出来ませんでしたから。

しかし現在はコンクールがあまりにも多すぎて、スカラシップを「ばらまいてる」と勘違いされる方もおられますが、スカラシップとは授業料免除オンリーの学校もありますし、寮費はかからないけれども指定のレオタード、タイツなどを購入する必要のある学校もあれば、全て支給されるところもある…

しかし、共通していえるのは、成績が悪ければ、容赦なくスカラシップは取り下げられる、ということなんです。卒業できる門は、狭いんです。この現実を分からないといけません。

すなわち

「スカラシップ、入学許可を頂けるうちが、華」

なんです。断り続けているうちに、実力も落ち、下から優れた子がたくさん出てきて、スカラシップどころか、入学許可すらも得られなくなったケースは多々見てきました。

英語も苦手、国内で1人で移動できず、親御さんがスタジオまで送迎しないと心配、であれば国内夏期講習で十分ですし、無理矢理海外に行く必要もないです。

海外留学の目的は、ずばり

「自立」

それを親御さんが望まれるのであれば、ぜひ行かせてあげて下さい。レッスン内容は同じかも知れませんが、人生観は180度変わるはずですから。

想像してみてください。

10数時間のフライトのあと、時差ボケのなか朝起きて、学校に行く…その学校のレッスン内容は日本の夏期講習と変わらないかも知れないが、起きて隣を見たら金髪の子が寝てて、朝御飯は炊きたてのご飯ではなくベーグルやシリアル。授業の内容は全部英語(もしくはフランス語、ドイツ語、ロシア語などなど)通訳ゼロ、疲れて寝床に戻っても「頑張ったね」と労いの言葉をかけてくれる身内もいない。共同の洗濯場から自分の服がなくなるのは日常茶飯事。お腹が痛い、脚が痛い、を現地の言葉で伝えないといけない…

「レッスン内容が同じ」かも知れませんが、まず環境がこんなにも違う。

留学とは、そういうことです。おわかりになりましたか?ぜひお子様と話し合われて下さいね。

左右木健一