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はじめまして。いつも左右木先生のブログ拝見しております。毎日家事を終えゆっくり左右木先生のブログを拝見するのがわたしの日課&楽しみとなっています。

さて質問ですが、、コンクールにおいて体型は?という質問がありましたが、少しコンクールからはずれてしまうのですが、将来バレリーナになりたい場合、身長や骨格など、うまれつき身体的に恵まれたものがない場合、どうすれば良いのでしょうか?

娘は身長が152センチと低いのですが、夢は見てくださっているお客様が、自分の舞台をみて幸せな気分になれるような舞台人になることです。しかし、現実はどこのバレエ団も身長163センチ以上が理想的、、なと身長の制限があります。体重は頑張って減らすことも出来ますが、身長についてはなかなかそうはいかないと思います。

娘もそろそろ進路を考える歳となりました。頑張っている娘をみると親としては全力で応援したい気持ちはもちろんですが、なかにはこの身長では、どうせバレリーナにはなれないから早めに趣味に切り替えて真剣に進路を考えては?と言われる方もいます。

本人は娘は夢に向かい毎日頑張っていますが、、実際のところはどうなのでしょうか?


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お母様は、この方をご存知ないですか?



倉永美沙さん、身長156cm

まさに「DNAだから」という諦めや絶望と見事に決別して、自身で地位を確立した方です。

もちろんバレエ団のオーディションでは

「身長何センチ以上」

はございます。それは今も昔も変わりません。

私が現役時代に踊っていた頃、ヨーロッパのバレエ団のオーディションでは

「男性、身長180cm以上」

でしたから。しかし、当時173cmの私はザルツブルクで5年間踊っていました。なぜなら、1人の男性(188cmくらいだったかな?)を除いて、みんな私より小柄な男性で、私は大柄だったんです。しかし、それはザルツブルクでの話。

身長制限があるのは、クラシックのバレエ団なら当然なんです。「白鳥の湖」のコールドバレエ、身長150cmから175cmの女性が32人バラバラでいるよりは、165cm程度がズラッと揃えば良いですし。

しかし、そこで身長168cmしかない売り出したい男性がバレエ団にいて、王子を踊らせたい、とします。そうなると165cmの女性だと釣り合いがとれない…

さて、どうなるか?

「急募!身長160cm以下のクラシックバレエのテクニックが強い女性募集!」

すなわち、小柄な主役が必要になるわけです。男性にしても同じ。150cmの女性を売り出したいのに、190cmの男性とは組ませらない。そしたら170cm以下の男性でもチャンスはある!

実際オーディションに記載されている身長に満たない人でも、バレエ団に就職している人はいます。人数は少ないですが、ゼロではありません。

…ここまでお読み頂き、ご理解頂けましたか?

さて、ここから厳しい事を言いますよ。覚悟できてますか?(笑)

「この身長では、どうせバレリーナにはなれないから早めに趣味に切り替えて真剣に進路を考えては?」

と誰かに言われたみたいですが。

そんな他人の無責任(かつ、何の立証もない)言葉に惑わされて進路を変えるくらいなら、お母様やお嬢様のバレエへの情熱は、その程度です。

本当にバレエが好きなら、倉永美沙さんのように、諦めずにバレリーナになるはずです。

身長について、数多くの質問が寄せられていて、私が最近感じることは

「では、やるだけやりましたか?」
「睡眠は十分とりましたか?」
「食事の栄養バランス考えましたか?」
「骨端線、調べましたか?」
「低身長かどうか、調べましたか?」

そして、身長の伸び率がどうにも伸びなかった場合、諦めるのではなく

「身長高い子よりも、ずば抜けた基礎力、音楽性、表現力、素早い適応性、語学力(三ヶ国語くらい喋れたら重宝されますよ!)を身につける努力をとことんしましたか?」

それを、毎日毎日、実践して、してもしても結果が出ませんでした、30歳…

だったら

「諦めたら?」

と言われても、仕方ない。しかし、他人の意見に惑わされたりするのではなく、ありとあらゆる手段を使いきってみたらどうか?と思います。

「本気でバレリーナになりたい」

と、願うなら、です!

私だって

「ブサイク!辞めたらいいのに」
「脚、汚い!辞めたらいいのに」
「存在が気持ち悪い!辞めたらいいのに」
「日本人、汚い!辞めたらいいのに」

本当に言われた言葉ですよ。ブサイクはつい数年前、真顔で言われた。はい、ごもっとも。言われなくてもわかってますから(笑)

しかし…バレエを踊ることが呼吸するのと同じくらい大事な場合、他人に「息、とめろ!」と言われて、息、止めますか?

他人の評価なんて、悪意ある悪口みたいなものだったりします。特にバレエの世界は。私も散々言われ、聞かされてきました。昔と違い、毎日毎日誰かを褒めたり、けなしたり、好き勝手にバレリーナたちの出来栄え、容姿、私生活、などなど、あれこれブログに書く人いるじゃないですか?芸能人と同じです。プロなんですから、言われてナンボの世界。それは書く人の自由。

しかし、お嬢様はプロではない。だったら他人の意見なんかに惑わされず、バレエが好きなら貫いて下さい!

いずれ、バレリーナになったとしても、寿命、短いです。そこで

「あ、どうせ寿命が短いなら、進路変える」

と、思うなら、それはそれでアリです。自分が納得すればアリ。

しかし

「誰かに無理と言われたから進路を変えた」

と、いうのは他人のせいにしていて、逃げてるだけ。

見えない将来(まして身長なんて、誰も予測できない!)を不安に感じるということは、現在やるべきことに集中していない証拠です。

まずは「今、何が出来るか」をしっかりと地に足をつけて実行してみてください。本気でバレリーナになりたいのなら…

左右木健一