<Q>

初めまして。ブログ、Instagramなどでいつも記事を拝見しては、頷く日々です。

質問ですが…。
小学生に関する事かもしれません。やはり小柄な子の方が回ったり飛んだりしやすいものなのでしょうか?コンクール上位の方は割りと小回りが効く体型の方(身長が低め)が多い様に思いまして。
そして、人からも言われますが…うちの子供は大柄(学年のわりに身長が高い)なので、動きが重たいようで。小学校高学年男子ですが、体の成長と共に変化はあるのか気になる所です。コンクールは少しずつチャレンジしています。
女子の体の成長に関しては情報がありますが、男子はなかなかなくて。

お忙しい所、失礼しました。

<A>

確かにテクニシャンの男の子は「小柄」というイメージはありますよね?

しかし有名なキム・キミンは物凄いテクニシャンですが、アジア人としたら小柄ではないですし、小柄=コンクールに有利 とは言えない時代だと思います。

先日楽屋で一緒の男性陣も、私と同じくらいの身長か、もしくは低い方もいましたが、皆さん物凄いテクニシャンの集まりでした!


どうしても男の子の場合は「コンクール」という枠内でしか情報を知り得ないことが多いですよね。

私が中学生の頃、ショックを受けたのが、パリ・オペラ座バレエ学校日本公演(たしか1984年?)

その時上演されていたクロード・ベッシーの「コンチェルト」

この映像は日本公演ではないですが、振付は同じです。



女の子と同じくらいの人数の男子たちが、出てくる出てくる!

「バレエなんて女がやるもの」

とバカにしていたバレエ後進国日本とは大違い!そして今の日本は昔とは全く違い、情報は山ほどありますよ。軽く検索しても、男の子の成長に関することはすぐ出てくるはずです。

私もお医者さんではないですから、あまり偉そうなことは言えませんが…

やはり小学生のうちから、超絶技巧ばかりをやらせていると身長が伸びない傾向にはあるように思います。そしてプロになりたい、と願う頃には膝や腰にそうとうな負担がかかっており、結局は身長の高い子たちのほうが健康的に踊れているケースもあったりします(一概には言えませんが)

早いうちからトウシューズを履かせてはいけない、というのと同じで、バレエスタンスを理解出来ていなくて、ターンアウトも理解していない男の子に超絶技巧を強要していたら…

しかし、日本という国は「選ばれた子」がバレエを習っているわけではなく、もしかしたら中学生でバレエを辞めるかも知れない子もいるわけです。ですから早期のトウシューズだったり、男の子だったらテクニック満載のヴァリエーションを踊らせて、欲求を満たしていくことが、別に問題視されていなかったですし、いまでもそう。

しかし…2018年の今の現状を30年前と一緒にしてはいけない時代に差し掛かっています。

男の子も昔みたいに「引く手あまた」の時代ではないです。ですから一番大事なのは、小学生でしたら

「無理をさせない」

これだと思います。

十分な睡眠、栄養、適度な運動、リカバリー

コンクールで完全燃焼するのか、20歳になってから花開かせたいのか、は個人の自由です。

睡眠不足で夜中まで勉強させて身長が伸びなくなるか、ある程度の勉強は大目に見てあげて睡眠時間を確保させて身長を伸ばすことを選択するか、も個人的の自由です。

しかさ、何度も申し上げます。

コンクールは「一過性」です!それが全てではない。

ひとつのコンクールの開催期間中や、表彰式後はお祭り騒ぎです。しかし、そんなお祭り騒ぎは数年経てば、よほどのバレエおたくでない限り、忘れてしまうんです。

コンクールは人々の記憶から薄れます…

しかし、肉体は存在する…

と、考えたら、もうおわかりになりますよね。大事なのは

「健康な身体を作ること」

だと私は思います。

左右木健一