早速、ご質問のフォームが続々と届きました!

1日にお一人くらいしか回答出来ないと思うのですが、更新しますので、お待ち下さいね。


まずはこの方の質問から。


<Q>


10歳の娘をもつ母です。このような機会を設けてくださり、本当にありがとうございます。

コンクールで着用する衣装について、左右木先生のお考えをお聞かせください。

衣装については「このVa.にはこれで」と、大体のパターンが決まっているものと思われますが、
全幕もので使われている衣装とは異なるものを、コンクール用に選んでいる場合もあることを知りました。

(中略)

コンクールの衣装は、幕ものに忠実に選ぶべきなのか、役柄を象徴できるなら違うものでもよいのか、先生のお考えをお聞きしたいです。
ご教示よろしくお願い申し上げます。



<A>

(中略)のところは、お子様が踊られるVaの役名が書かれておりましたので、特定されないように割愛させていただきました。ご了承ください。



衣裳に関して…これは非常に難しいですね。

「幕ものに忠実に選ぶべき」

というバレエ団の基準自体が、今となってはバラエティに富みすぎて、何が正しい正統派衣裳なのか、も分からなくなっています。

例えば極端な話、私がスイスのバーゼルで見た「ドン・キホーテ」全幕。グラン・パ・ド・ドゥのキトリのチュチュは、紺色でした(笑)流石に度肝を抜きました。サンチョパンサがセリフを喋りながら自転車に乗って登場するなど、かなり奇抜な改訂版で…はい、極端な例です。

キューピッドのカツラも然り。バレエ団によってはさまざまですね。キューピーちゃんのようなカツラから、ボブカットのようなカツラまで登場したり、黄色い髪色ではなく、銀髪だったり、ピンクだったり。オランダで見たキューピッドは背中に鷲くらい大きな羽を背負っていましたし(笑)

衣裳は採点しないコンクールも実際あります。コメントシートに「衣裳については触れない」コンクールもあります。逆に衣裳も採点するコンクールも。

私個人の意見とすれば、参加者の方が一番綺麗に見えるデザイン、色、であればOKだと思います。

一番良くないのは、衣裳が「七五三」のお着物のようだったり、スーツなど着たこともない若者のリクルートスーツ姿みたいに見えてしまうこと。

衣裳と本人が、あまりにもアンバランスになるのは良くないと思います。

例えば彼の衣裳は「白鳥の湖」王子の衣裳として使用しましたが、それ以前は「グラン・パ・クラシック」としても使用しました。全然違う演目ではありましたが、違和感なく使用出来ました。


酒井はなさんと私。

「コッペリア」ですが、酒井さんはオーロラ姫の衣裳で花飾り、私はジャン・ド・ブリエンヌの衣裳。全然「コッペリア」ではない(笑)


いかがでしょうか?

そして、今から書くことは、私個人の審査員の意見であり、全ての審査員には当てはまるとは限らないのですが…

お子様は10歳、との事ですよね?

それなら、私が審査員であれば、お子様の衣裳よりも、お子様の「のびしろ」に注目すると思います。衣裳を奇抜にしないと、審査員にアピール出来ない、と思われていた時代は終わっている、と私は思いたいです。私個人の審査基準は衣裳のアピールよりも、踊り手の「内面」を重要視していますので、万が一地味な衣裳だったとしても、内側が輝いていれば、それだけで十分。

とは言え、衣裳は絶対に大事です。オーロラ姫がみすぼらしいシンデレラ一幕のような衣裳では踊りませんし、村娘のジゼルがバチルド姫よりも豪華な衣裳で踊ったら、ストーリーが成り立ちませんから。

ある程度「定番」と言われる衣裳はございますから、ぜひ先生と相談してみて下さい。レンタル衣裳の場合、あまりに奇抜な衣裳は制作していないでしょうし、新着の場合もデザイナーさんに「なるべく定番から大きく外れないで下さい」とお願いすれば良いか、と思われます。

デザインも大事ですが、一番大事なのはチュチュやジョーゼットの丈。少しでも脚が長く見えるような衣裳を用意して、ティアラや髪飾りも着けてみて、全体の「バランス」を確かめてみて下さいね。

左右木健一