「トウシューズを履いたほうが有利ですか?」
「バレエシューズは不利ですか?」

こんな質問をよくされます。

回答に困ります。なぜならYAGPで

「9歳、10歳はトウシューズを履かないほうが…」

とアドバイスされた、としても、ニューヨークでは履いている子たちがゼロではなかったです。

そしてトウシューズを履いている子たちが受賞していたりすると

「なんだ…結局、トウシューズを履いている子が受賞するんじゃないか?」

となる…迷いますよね。

私はこのように思います。

それぞれの「個人差」と「価値観」だと。

厳格な世界的ルールがあるわけではなく、ましてメソッドすらもバラバラな日本のお教室レベルだったら、誰も強制は出来ません。

9歳どころか、6歳くらいからトウシューズを履いてプロになった方も昔は沢山いました。

幼少期から相当な運動神経、勘の良さ、筋肉の質、持って生まれた身体の繋ぎの良さを兼ね備えていて、なおかつ努力家だったのだ、というのは容易に理解出来ます。しかし、そのような例は稀です。

13歳くらいまではトウシューズを履かせません、というお教室。良いとは思いますが、みんながみんなそこで無事に育つわけではない。

なぜなら、バレエシューズできちんと踊ることが出来て、短時間とは言え、毎日のように基礎を積み重ねてきた海外のバレエ学校生徒のように過ごしてきた子なら問題ない。しかし、週1回程度にしかレッスンに来なくて、バレエシューズで踊るだけの筋力もなく、13歳でトウシューズを履いてすぐに踊れるのか…?

彼女は現在ポーランドのクラクフ州立劇場バレエ団にて踊る私の生徒。この当時、それこそ当時小学生。確か11歳くらい?


バレエを始めた当初から身体の繋ぎも良く、天性の素質が備わっていたので、早くからトウシューズを履くことが可能でした。早期に履いていても別に何か支障があったわけではなく、現在も元気に活躍しています。

結局は「個人差」だと思いますが、私個人の審査員としての意見とすれば…

捻挫しそうなトウシューズの立ち方をする子よりは、バレエシューズできちんと踊る子のほうが評価出来る。

バレエシューズでも引き上げが出来ていない子よりは、トウシューズでも基礎的能力が高い子のほうが評価出来る。

……ですから

トウシューズを履くか、履かないか…

有利か不利か、を判断出来るのは毎日生徒を見ている指導者の先生にかかっていると思います。

左右木健一