昨日は久しぶりにオープンクラスを指導致しました。皆さん頑張っていました!


「オープンクラス」

この名称が日本で聞かれるようになったのは、私が10代の頃。

私も漆原宏樹先生のオープンクラスにお邪魔したことがあります。

真っ白い姿で座っているのが私です。左の黄色いサウナパンツの少年は誰でしょうか?ご想像にお任せします。

ヒント…誰もが知るスターです(笑)


昭和時代のオープンクラスの主流は、バレエ団を辞めてフリーで活動してる方か、ミュージカルや演劇のために補助的にバレエを習う方、あるいはお教室を何らかのトラブルで辞めてしまい、居場所を失った子供が唯一受けられる場所、みたいなイメージがあり、どちらかと言えば

「所属先を持たない人たちの集まり」

という、当時は正統派バレエの方からあまり良いイメージが持たれていなかったと思います。

そんな中、当時は画期的なジュニアのためのオープンクラスが開催されていました。私もこの黄色いサウナパンツの少年に誘われて受けに行ったのですが。

そして2018年の今。

所属に縛られる必要のない場所が増えていきました。

各地でオープンクラスは開催されて、いわゆる「師弟関係」みたいなものに縛られることもなく、自由に誰でも受けられる環境が山ほど増えました。

子供たち中心のスタジオだと、なかなか居づらい、という大人の初心者の方にはうってつけの場所になりました。

しかし…ここに来て、大きな問題が生じます。

誰でも受けられる、嫌ならよそのオープンスタジオに行く、習う先生をその日の気分で変える…

子供の頃にベースがすでにあり、プロとして活躍している人なら毎日日替わりメニューの如く教師が変わっても対応できるでしょう。

しかし、バレエを始めてまだ数年しか経っていない大人の方がいきなり日替わりメニューでレッスンを受けた場合…よほど頭の良い方以外は、必ず混乱するはずです。

「入門クラス」のような、いわゆる大人から始めても問題ないクラスがありますが、毎日開催されているわけではないですし、オープンスタジオでしたら教師陣も入れ替わります。バレエ学校のようなきちんとしたカリキュラム、教師会議、シラバスみたいなものは、オープンスタジオにはありません。指導する教師のメソッドが全てになる。

ワガノワメソッドとRADはことごとく違いますし、チェケッティもあればバランシンもある…

どのメソッドが良い、悪い、ではないですが、バットマンフラッペの種類がメソッドによっては全然違うことをすでに熟知していたり、腕のポジションの番号の違いを理解出来るくらいでないと、スタジオを変えたり、習う教師を変えたら、混乱して終わってしまうでしょう。

子供がお教室のかけもちをすることが、あまり推奨されない理由はここにあります。小さなうちからお教室をあちこち移籍してしまうと、結局はきちんとしたメソッドが身につかないまま、上達せずにバレエを中断するケースは多々と見てきました。

メソッドがバラバラの日本では、腕のポジションの番号を言っても通じないので

アンバー
アンナバン
アンオー

みたいな魔法のように誰でも通じる言葉で指導しますが、海外の先生は

「第1ポジション」

としか言ってくれません。そうすると日本人は腕ではなく、脚を第1ポジションにする…そうなると、海外の先生たちは

「え?脚じゃなくて、腕のこと!第1ポジションだってば!」

となる…それがわからない、となると

「いったい…何のメソッドで今まで習ってきたわけ?」

と呆れられる。長年オープンクラスだけを受けていて、ある程度上達した、としても、そんな感じで「そんな事も知らないわけ?」と、呆れられた日には、ショックですよね。

ちょうど流暢に英語は話せるけど、アルファベットを知らないのと似ています。最低限の知識がないと、やはり馬鹿にされてしまいます。

今は海外の先生たちがたくさん来日するようになり、情報も増えてきました。もう昔のような「日本のバレエ」「日本独自のメソッド」は、通用しない時代に突入してきていると思います。

オープンクラス…私も常に細心の注意を払わなくてはいけない、と感じます。

左右木健一