「品格」

これが一番如実に現れます。結果が発表されたあとです。

ロビーに貼り出される場合もあれば、表彰式で発表されたり、アナウンスだけだったり…

私も付き添い教師に限らず、コンクールを裏でお手伝いしていたり、たまたま審査員とかではなく、一観客として、その場にいたことが何度もあるので、色々な現場を見たり聞いたりしていました。

露骨に結果に対して文句を言う人。

受賞した人に「おめでとう」どころか、イヤミを言う人。

それまで仲良かったのに、急に無視する人。

大げさに泣いて騒ぐ人。

……まるで、品の悪いメロドラマのよう。

良い結果も悪い結果も、静かに受け入れるべきです。その場では…

なぜならまだそこはコンクール会場、公共の場。

公共施設のなかで、気が狂ったように暴れる人は、いますか?まあ、いますね、きっと。

感情が抑えきれない場合もあるでしょう。

しかし…世間からしてみれば、バレエという、日本国から全面的にサポートしてもらってるわけでもなく、国立バレエ学校の組織もなく、お給料をきちんと払ってくれるバレエ団があるわけでもなく、将来の保証もないジャンルの小さな世界の、小さな小さなコンクール。そこで受賞した、しない、で、この世の終わりの如く騒ぐのは…

私個人としたら「その騒ぎ、必要?」と思います。

受賞しなかった子は、受賞した子に「おめでとう」と言えるだけの器の広さを。

受賞した子は、受賞出来なかった子のまえで、あからさまに受賞を自慢することのない謙虚さを。

持つべきだ、と思います。

なぜなら、立場は必ず逆転します。

現役のときだけではありません。指導者になってからもです。

現在の海外のバレエ学校の校長先生たち。

実は現役時代、大スターではなかった人ばかりです。そして校長という座は、永久契約ではない。世代交代があります。死ぬまで校長でいられる人はいません。

コンクールも同じです。必ず世代交代がある。逆転もある。

そんな渦に飲み込まれるか、平常心でいられるか…

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綺麗にメイクをしたら、綺麗なままで…

メイクを落としたら、もっと綺麗な心で…

コンクールで華々しく注目される時間、舞台に出てる時間よりも、人生で費やす時間のほうが長いです。

その時間の積み重ねが、綺麗で、品格があってこそ、初めて「真のアーティスト」になる、と思います。

指導者、生徒、親御さん、全ての皆様がコンクールを上手く活用して、変な渦に飲み込まれないようにしたいものです。

Part 24に続く

左右木健一