2 どのヴァリエーションを踊るか

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どのコンクールにエントリーするか、以前に、多分こちらを決める方のほうが多いと思います。

この「ヴァリエーションの選択を考えること」イコール、バレエと真剣に向き合うキッカケになっているのは、皆さまご理解できますか?

例えば

「白鳥の湖」のパ・ド・トロワを踊る、となった場合。

振付をどの版にするか、から選択を考えます。

ボリショイで踊られている版、マリインスキーで踊られている版、ロイヤルで踊られている版などなど…それぞれ全く違います。

一番のご法度は、この版のミックスです。

マリインスキー版で始まったか、と思いきや、突然ロイヤル版になり…などは、決してやってはいけない事なのです。

想像してみてください。

旅行でサンクトペテルブルクに行ったと思ったら、一回瞬きしたらロンドンにいた…なんて、怖くなりませんか?バラエティに富んでて良いでしょ?では済まされないですよね。そのバラエティ…要りません(笑)

私が子供の頃は情報も少なかったですから、バージョン以前に「創作バレエ?」くらいに原型を留めていないくらい、子供に合わせた振付でも平気でした。

しかし、今は違います。振付は重要です。振付を審査するわけではありませんが、どのメソッドで今までレッスンを積み重ねてきたのか、のプロセスが全く見えないまま、ヴァリエーションを踊っていたら、それは明らかに得点に反映されます。

例えば小学生がピルエットを2回回れないから、1回にする…などは構わないと思いますが、ピルエットを回るべき場所で全てのピルエットを省略した場合

「ではなぜ、このヴァリエーションを選択したのか?」

と思われます。

また以前、他所のスタジオの生徒さんを指導した際、振付や音取りが著しく不自然で、聞いてみたら

「Youtubeに出てた〇〇コンクール1位の子の振付を参考にしました」

「その子はいくつなの?」

「10歳くらい…だと思います」

「もう見るのやめようね(笑)」

となりました。

1位を受賞した=正しい振付

ではないのです。正しくない振付でも、その子の持つ将来性を買われて受賞したかも知れませんが、それが振付が良かったから、とは限らないケース。

Youtubeを見るな、とも言いません。今はプロでも見たりしますから。しかしもし振付を参考にするのであれば、ヴァリエーションだけ見るのではなく、全体の流れを見て欲しいと思います。

全体の流れがわかれば、どうしてキューピッドがあのように踊るのか、どうしてスワニルダがあのような演技をするのか、が理解出来るからです。

それが審査項目の「役の解釈」にあたります。

ただ単にアチチュードやアラベスクをしているわけではない。常に生徒さんたちは指導者の先生方に質問したら良いと思います。

「なぜ、ここでシェネをするのですか?しかも高速で?」とか。

動きには必ず意味がありますから、先生方は答えてくれるはずですよ。

Part 5に続く

左右木健一