それでは、なぜコンクールというものが存在するのでしょうか?

それは、エントリーする、と決めた時点でありとあらゆる準備が必要になり、その準備はたとえバレエを辞めたとしても社会に通用するから。

順番に説明していきますね。


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まず



1 どのコンクールにエントリーするか



私が子供の頃は

東京新聞全国舞踊コンクール
埼玉全国舞踊コンクール
全日本バレエコンクール

この3つしかありませんでした。選択する余地もない。そして上記のコンクールは海外のバレエ学校のスカラーシップ賞などはなかったです。

しかし今はありとあらゆるコンクールがあります。しかも海外のバレエ学校スカラーシップ賞が含まれた!なんて恵まれた時代になったのでしょうか?

恵まれているからこそ、考えなくてはいけないのです。

そのコンクールに参加する意義は、何かを。

動機は何でも良い、とは思います。舞台でヴァリエーションを踊りたい、とかでも。

しかし、コンクールは「おさらい会」ではないのです。そこを履き違えると辛くなります。

「おさらい会」はしょせん身内の会です。そこで評価はされません。

しかし「コンクール」は評価される場所です。努力して「頑張ったね!」と褒めてくれるのは身内と自分の先生だけです。残念なことに、審査員はそのような参加者ひとりひとりのバックグラウンドを考慮して

「よく頑張りましたね」

とは言えない。ですから

「こんなに頑張ったのに、審査員は認めてくれない」

みたいに、結果にクレームをつけるのなら、始めからコンクールに無理矢理エントリーしないで、身内の会で踊るべきだと思います。年少の生徒の場合、実は指導者がジャッジされていることも考慮しないといけません。生徒は先生の言うことをきちんと守っているはず。と、言うことは、指導者が誤った振付や役の解釈、音取りを指導した場合、それは子供たちの責任ではなく、指導者の指導不足、なわけです。

私も審査員を務めておりますが、もちろん審査される側にも回ります。ですから毎回生徒をエントリーさせる際は覚悟を決めております。自分の指導法を否定されたとしても、それを覚悟の上で生徒たちをエントリーさせます。そして何故否定されたのか、何を改善すべきか、を反省します。

指導者は皆さんそれくらいの覚悟は当然お持ちだとは思いますが、子供たちの場合はどうでしょうか?どのようなジャッジを下されても構いません、という覚悟がない場合は、まだコンクールにエントリーしないほうが良いと思います。

また、スカラーシップが賞として存在するコンクールと、順位をつけて終わるコンクール。若干違いがあります。

スカラーシップがある場合、たとえその日の出来が悪くても、将来性を買われるので望みがあります。

順位だけの場合は、やはりその日のヴァリエーションの評価だけになる傾向がありますよね。

どちらが良い、悪いではないと思います。

どちらで評価をしてもらいたいか…という参加者の希望だと思います。

…もう、ここまでお読み頂いて、おわかりになりましたか?

そう。コンクールにエントリーする、と決めた時点で、色々な下調べをすることがスタートしてるわけです。そして、それはバレエに関係無く、社会人として生きていくには必要なスキルだと思いませんか?

人任せにするのではなく、何のコンクールにエントリーしたいか…何を評価してもらいたいのか?

この選択の時点で、すでにコンクールは始まっていると思います。

Part 4 に続く

左右木健一