「予選落ち」

と言う現実を、もし自分が

「だったら、バレエに向いてない」

みたいな考え方だったら、今の自分はいないでしょう。

よくバレエを知らない方から

「コンクールで賞を取らないと、プロになれないんでしょ?」

みたいに聞かれるのですが、いったい誰がそんな事を言ったのでしょう?

コンクールはお受験でもないし、将来を保証してくれるパスポートでもない。

まるでオリンピックで

「金メダル取った!」
「金メダル逃した!」

みたいに捉えるとしたら、完全に間違った解釈をしていると思います。

海外のいわゆる国立劇場に足を運ぶお客様は、コンクールの存在自体をよく知らないお客様が大半。知ってるのは評論家か、バレエ関係者か、バレエおたく。

ですから

「今日の主役はローザンヌで賞を取った〇〇さんだよ」

とか言う会話なんて、普通のお客様から出て来ません。

むしろ

「今日の主役と指揮者との絶妙なやりとり、楽しかったね」

みたいな会話。

バレエの舞台を見ながら、いちいち肩書き見る必要がありますか?ないですよね?

お客様はバレエという「作品」を見に来るわけであり、もしくはその作品を踊るに相応しい、と評判のバレリーナを見に行くだけです。

そして、その作品の役を演じたバレリーナがどのような道を歩んできたか、気になるのは一部のファンだけであり、あとのお客様はいちいち経歴など調べません。むしろプログラムも見なければ、名前も調べないお客様だっている。

私はコンクール予選落ちでした。

しかしそのあと、ユニバーサルバレエ団のオーディションに受かりました。

エイドリアン・ダラス先生。
彼女が私の運命を変えてくれたのです。

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ちなみにユニバーサルバレエ団のオーディションには、ローザンヌ国際バレエコンクールで受賞していたある人が受けに来ていました。その方は非常に有名で、男性はその方と私の2人…

エイドリアンは私をピックアップしてくれました。もちろん彼女は私の経歴なんか気にもせず。

久々に再会したとき、私は彼女に質問しました。

「なぜ、あなたは私を雇ったのか?何の肩書きもないのに?」

すると彼女は

「私には見えるのよ。誰がスペシャルで、誰がスペシャルじゃないか、ね?肩書き?どうでもいい!」

と。

「予選落ち」したからこそ、次の可能性を模索して、コンクール受賞する前にバレエ団に入団してしまう私のようなケースだってあるんです。

全ては、出された結果を素直に受け止めるか、受け止めないで「自分が正しいのに、なぜ?」と逆ギレするか…で、人生が変わるのではないでしょうか?

Part 3 に続く

左右木健一