ここ最近嬉しいことが続いているのですが、今日は本当に本当に嬉しいことがありました。

私を5年間ザルツブルク州立劇場バレエ団のソリストとして雇い、可愛がってもらい、しかし、私のワガママで日本に帰国してしまい…そんな恩知らずの私を迎えてくれたのは…

ピーター・ブロイヤー。
世界バレエフェスティバルの常連、往年のスター
私の師匠、ボス、恩人…
お互いの始まりがあまりにも順調すぎたため、ほんの少しの歯車の狂いで、ワガママだった私は契約更新を自ら断り、ザルツブルクを離れ、日本に帰国…19年間全く音信不通でした。親不孝な息子でした。

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しかし、牧阿佐美バレヱ団の三谷先生、小嶋先生のおかげで本日再会することが出来ました!先生方、バレエ団事務局の方々、突然おしかけてしまい、お邪魔してしまい、申し訳ありませんでした。

彼の作品「ボレロ」は週末本番なのですが、あいにく私は仙台にどうしてもいなければいけないスケジュールで、公演を拝見することが出来なくなり…しかし本日、彼のクラス、リハーサルを見学出来ました。

彼独特のコントラクション、動きのため方、女性との駆け引き、リフト、ピルエットからの脱力、フォーメーションの作り方、などなど…全てが手に取るようにわかり、改めて私は

「ピーター・ブロイヤーに育ててもらったのだ」

と確信しました。

怪我人が出て、いきなり代役で踊ったピーター(右から2番目)私は右から4番目。彼のパートナリングの凄さは、ナタリア・マカロワやエヴァ・エフドキモワが大絶賛するものだったそうです。

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この作品「Fatum」はブロイヤー自身がポール・ボイドというこれまたスターと共に踊った彼の作品。10分以上踊りまくるのですが、この間ドイツで再演したそうで、ダンサーたちが10分踊りきれなかったらしく(笑)

「Kenichiはフルで踊ったよな!」と。
はい。若かったですし(笑)とにかく彼の期待に応えたい…その気持ちで毎回踊りました。それまでどちらか、というとおどけた可愛らしい役が似合う私の本来持つダークな部分を見抜いて表現の幅を広げてくれたのは、彼でした。

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人とのご縁は本当に不思議で、もし私がザルツブルクで働いていなければ、ヴァルナのコンクールには出場していなかったでしょうし、私が日本に帰国しなければ、薄井先生が私をヴァルナの審査員に推薦しなかっただろうし…踊ることを辞めていなければ、生徒たちは育たなかっただろうし、踊りを再開しなかったら、再開する人の苦労は理解できなかっただろうし、などなど…

どこかで縁が切れても、再会しなくてはいけない人とはまた必ず再会できる…再会出来ない人とは再会できないように自然と疎遠になる。

それは自分が望む、望まない、ではなく、神様が決めて下さっているのでは?そう感じます。

本当に、今日の日を与えて下さった神様に感謝します…

左右木健一