23日、奈良町家シンポジウム「奈良町のお茶室拝見」を聴講した。
会場は奈良県庁東隣の奈良公園バスターミナル2Fのレクチャーホールだった。
<基調講演>「近代奈良の茶の湯」
講師:神津朝夫(茶道史家・博士)
<調査報告>「奈良町(高畑・きたまち・紀寺エリア)の茶室建築の特長について」
報告者:徳本雅代(奈良町の歴史的資産の魅力発信プロジェクト・リーダー)
<ディスカッション>
午後の第二部は奈良国立博物館の中庭にある茶室・八窓庵(はっそうあん)を見学した。
もともとは興福寺の大乗院庭内にあった茶室で、地元での保存を望んだ奈良在住の篤志家らによって1892(明治25)年に博物館の敷地に移設された。
江戸時代中期建築の入母屋造り茅葺で、茶人・古田織部好みの多窓式の茶室だという。
含翠亭(がんすいてい)ともいわれ、興福寺塔頭慈眼院の六窓庵 (ろくそうあん、現所在東京国立博物館)、東大寺塔頭四聖坊の隠岐録(おきろく、東京へ移建後に戦災で消失)と合わせて「大和の三茶室」といわれた。
参考:
茶室 八窓庵
https://www.narahaku.go.jp/guide/hassouan/
奈良町界隈にある「奈良町にぎわいの家」は通りに面して高塀を設けた1917年建築の表屋造の町家だ。
通りに面する高塀に設けた表玄関の横の潜り門から露地へと入ると、待合(まちあい)がある。
丸太・竹・杉皮・自然石等を用いた庭園を眺めながら主屋の茶室へと誘う。
四畳半の茶室には円窓や菱形の窓をあしらわれている。
奈良の町家では典型的な茶室だという。
参考:
奈良町にぎわいの家
https://naramachi-nigiwainoie.jp/
名勝大乗院庭園文化館にある茶室は四畳半で大きな丸窓から庭園の東大池を望める。
参考:
名勝大乗院庭園文化館
https://naramachiinfo.jp/spot/tourism/1646.html