「ふらここ」とはブランコのこと。ちなみに春の季語。関係ないけど😅
藪医といっても本当に藪医者だったら小説どころかシャレにもならないわけで、実は名医が身をやつして市井の暮らしに甘んじている。つまり本作は時代ものであり人情もの。
短いタイトルからでもそれだけのことが推測できますね😆
朝井まかて著「藪医ふらここ堂」講談社文庫より。
時は江戸。宝暦の頃。吉宗の治世が終わったばかり。主人公 天野三哲は偏屈な町のお医者さん。
今風にいうと小児科医ということになりますが、口癖は「面倒臭ぇ」で、患者が来ても待たせたり寝ていたり。薬もろくに出さないこともしばしば。
で、ついたあだ名が「藪医のふらここ堂」。ふらここの由来は診療所にあるブランコからですが、ふらふらしているの意も言外に含んでいます。
一人娘の "おゆん" は肩身の狭い思いをしながらも診療を手伝って、つつましく暮らしていました。
まあタイトルからも推察の通り、この三哲は実は名医。薬をなかなか出さないのも子どもには時に薬が毒になることを承知のゆえ💊→🏴☠️
やがて腕前も評判になり、おゆんには縁談も。でも相変わらず世間と容れない偏屈な父と離れる気になれず縁談もゆらゆら。
父の次は自分がブランコになってしまいました😅
ブランコで揺れに揺れたあとは勢いよく空にぴょん!そんなにうまくいくわけねえだろと言いたくなるぐらいの大団円です😆
モデルは実在の名医、篠崎三徹。医療ドラマとしての側面もあり中身の濃い一冊です。
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