読書時間:4.5h
一読:あり
再読:必須(一度で判らない)
R指定:前提知識(思弁的実在論、量子力学など)
著者:郡司ペギオ幸夫
刊行:2019年1月
価格:1700円+税
出版:講談社選書メチエ
人工知能を超える知能のはなし
はじめに ダサカッコワルイ宣言
マネコガネ 知覚できないが存在するもの
サロワサボテン 無意識という外部
イワシ UFOはなぜ宇宙人の乗り物なのか
カブトムシ 努力する神経細胞
オオウツボカズラ いいかげんな進化
ヤマトシジミ 新しい実在論の向こう側
ライオン 決定論・局所性・自由意志
ふったち猫 ダサカッコワウルイ天然知能
既知の領域では、ヒトは機械に勝てない。
「ズレ」により既知の外からくるものを感じる、それが天然知能。
一番分かりやすいのは、セルオートマトンの例だろう。
通常のルールでは、自己再生する初期値はわずかで、多くは死滅してしまう。
ルールはシンプルだがシステマチックだ。生命を模しているのにシステマチックでいいのだろうか。
同時というルールを外すだけで、自己再生のパターンは格段に増えるという。
ルールを変えるのはズルい?
細胞が分裂して、1個→2個→4個と増えていくのは当然のようだが、分裂は完全に同時ではない。
一方が分裂し終わったとき、他方が分裂中であれば、3個もありうる。
未だヒトは生命を造れていないのに、極限環境でも生命は生まれる。
この謎を解くには天然知能が必要と感じる。
『スティール・ボール・ランで、天然知能を語る』
黄金長方形(黄金比)の説明
本物に気づく直前の場面
天然知能は発想を変えることではないので、視点を変えて答えが見つかることではない。
黄金長方形を知らずに気づくのが、天然知能。
できるわけがないッ!
誰かが気づくまで、黄金比も未知だったので、知らなくても気づくことはできる。
発見したのは数学者らしい。
既知の外からくるものは自分の中にあるそうなので、無知では天然知能は得られないと理解した。
AIの導入で仕事がなくなるといわれているが、仕事で天然知能を求められることはない(たぶん)