41歳の僕が『アラフォー・クライシス』を読んで率直に感じたこと。  | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog
2019年03月11日(月)

41歳の僕が『アラフォー・クライシス』を読んで率直に感じたこと。 

テーマ:ブログ

僕の手元にあるのが『アラフォー・クライシス』だ。NKH「クローズアップ現代+」取材班による書籍が届いた。これを手掛けたプロデューサーさんからいただいたもので、この「アラフォー」という年代のど真ん中に僕はいるらしい。41歳なので。 

 

 

すでにクロ現で放送を観られた方は、その内容をある程度想像できるものだと思うが、「アラフォー」が置かれた状況がシンプルにまとめられている。 

 

読後感を一言でと言われたら、おそらく「微妙」というのが一番近い回答だと思う。それは僕自身がいくつかの立場、観点を持って本書に挑んたからだと思う。 

 

①当事者(アラフォー/41歳) 

②支援者(この世代の一部の方を支援している) 

③読者(一読者としての自分もいる) 

 

ただ、①②③を整理して、分析的に書くのは読書感想文の域を超えているので、もう少し気軽に書く。 

 

最初に、おそらく、というレベルだけれど取材班の方が「はじめに」で書かれた以下の部分はうまく伝わらないのではないかという結論から。 

 

(抜粋) 

見過ごされてきた「アラフォー世代」の苦境を、少しでも知っていただけたら幸いである。 

 

データもあり、詳細に取材対象者がまとめられている。識者も多数コメントしている。非常によくまとまっている。アラフォー世代の苦境についてよくわかるけれど、何となく”うまく”伝わらないではないか。 

 

無理やり理由を三つに集約すると、 

 

1. 同じように苦労されている方はどの世代にでもいる 

 

当たり前のことだが、個別の当事者にかなりスポットがあたっているだめ、「アラフォー世代」という特定の世代が苦境なのだ、という主張はどうしても薄まる。データもきっちりあるけれど、それでも個別ケースの印象がとても強く残る。 

 

2. たぶん、自己責任だろうと思う人が多い 

 

取材班のスタンスは、「自己責任」というのはあまりにも特定世代に問題が偏在していることを示しており、それは本当に同意。当事者世代としては周囲に似たような話はいくらでもあり、データとしてもやはり日本型雇用は、新卒時の景気の影響を強く受けざるを得ない。 

 

それでもなお、全体的に「自己責任でない」と思うに至るには、上記「1」にもかかわることだが、個別インタビューのボリュームが大きく、また、インタビューのまとめ方を見ても、自己責任だろうと思うひとが多い気もするし、自己責任ではないな、と思うひとは少ないのでは。 

 

なぜ、僕がこのように思うかと言えば、僕自身が若者支援をしていて、アラフォー世代も支援対象の範囲世代に入るからだ。個別の事例を積み上げ、ストーリーとしてまとめる方法論は、読み手の「自己責任」論を回避することにあまり寄与しないと実感していることが大きい。 

 

3. 解決方法が○○ 

 

そうはいっても、何かしら不遇の世代に迫る危機に対しての処方箋、課題の解決について触れていてほしい。「で、どうしたらいいんだ?」というのが最も興味を引くところであり、具体的であってもなくても、「それは納得できる」または「それは絶対おかしい」といった実践なり、提言なりを欲してしまう(これは僕が支援団体の一員だからかもしれない)。 

 

この部分はあえて「○○」としたい。本書の肝であり、ひとによって解釈や感想が変わるところであり、おかしみの部分だから。 

 

この書籍を読み進めていくにあたって、ずっと頭から離れないのが「では、どうするか」「何か課題で、どう解決できるのか」「登場される方の役に立てることはどんなことだろうか」といったことだった。 

 

書籍のなかであっても、具体的に困っている、危機に瀕している個人がそこにいるわけで、しかも僕とほとんど同じ年齢。ときに、「いや、それは僕も同じような立場だよ」と思いながら、ときに「その状態になったら誰かに助けてもらわないとダメだな、自分だったら誰にヘルプを出そうか」なんて考えながら、自己投影させるところも多かった。 

 

 

本書のターゲットである僕を含むアラフォー世代が重要な役割を担えるとしたら、学校卒業と同時に「超就職氷河期」を日本で体現した当事者として、「では、どうすべきだったか」を、社会にまたは個人に対して、自己体験を通じて語ったり、言葉を残したりすることではないか。 

 

取材を受けられたすべての方の言葉に重みとリアリティがあった。そして、同じ境遇、近い状況にあたる可能性があるのは、僕らより年齢が下の世代だろう。全員でもなく、ずっと来ないかもしれないけれど、それでも僕らが生きてきた少年期から青年期を経て、これからというときにうまくいかない、それも個人ではあらがえない時代性を含めて、もしそういうことになったら、そういうことになっても、当該世代にとってささやかな希望、小さな勇気になるような言葉を残しておくこと、それを思うに至ったのは本書『アラフォー・クライシス』を読んだおかげである。 

工藤啓さんをフォロー

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ