大きなコースでミニ四駆を走らせたいから大会形式にしたら、ゆるい居場所になった。 | 若者と社会をつなぐ支援NPO/ 育て上げネット理事長工藤啓のBlog

大きなコースでミニ四駆を走らせたいから大会形式にしたら、ゆるい居場所になった。

 

動機を問われたら、答えるのも恥ずかしいんですけど、「大きなコースでミニ四駆を走らせたい」だけだったんです。

 

もともとのきっかけは、LEGOとかLaQ大好きな長男が「モーター使ってみたい」と言うので、うーんと考えて、「ミニ四駆やってみようか」と次男と三人で福生のコジマ×ビックカメラに行きました。

 

僕がミニ四駆をやっていたのは30年前のことで、売り場に行ったとき固まりました。知らないパーツが多すぎて、なにから手を付けていいのやら。しかし、そこは子どもたちの凄いところで「あれがかっこいい!」くらいの勢いで選びます。

 

僕はファイヤードラゴンのクリアボディをタイプⅡシャーシの上に乗せていたので、ファイヤードラゴン探したんですけど見つからず、後日購入をしました。

 

ミニ四駆は簡単に作れますので、長男と次男を手伝いながら完成させ、土日に公園などで走らせて遊んでました。ミニ四駆のいいところは、その夜、子どもたちがあっけなく熟睡してくれるだけの運動量を提供してくれることですね。格安で。

 

【双子生活】勝手に走って、勝手に爆睡。男児四人がちゃんと寝る、父親が育児で活躍。考える、創る、走る、寝るの四拍子揃った凄いやつ。|Kei Kudo @sodateage_kudo|note(ノート)

 

そうやって遊んでいるうちに、実際のコースで走らせたくなりました。長男と次男と楽しみたいというのもありますし、「パパが本気出したら速いの作れるんだぜ!」を見せつけたいというのもありました。

 

そんな話を職場でしていたところ、広報担当者が「コースなら普通にタミヤがレンタルしてますよ」と教えてくれました。「え?レンタルしてるの??」ということで、さっそく検索してサイトを発見。

 

ミニ四駆サーキット・レンタルサービス

 

それは心躍りました。おもちゃ屋さんや公式レース会場に行かなければ走らせられなかった大きなコースが借りられるんです。小さなコースではなく、大きな大きなコースです。早速、社内で少し声をかけてみたら、(久しぶりに)やりたいとうひとたちが現れたので、「大会やろう!」と。

 

子どもたちには一か月以上も先のことながら「ミニ四駆大会をパパのお仕事場でやると」と伝えると大興奮。普段は片付けないで怒られるミニ四駆を、しっかりメンテナンスしてしまうなど、それはそれは楽しみにしてくれました。

 

僕もレースに備えて夜中にこっそりチューンナップしてました。

 

 

大会が近づくとき、友人に話をしたりすると、「自分も行くよ」というひとたちが出てきました。会社の同僚に声をかけてくれるひともいました。そして育て上げネットの学習支援担当からも、ミニ四駆を持っている子どもや、持っていないけれど作って走らせたい子どもたちがいるという話になり、それであればミニ四駆大会を社会に拓こうか、という話になったんです。

 

当日の午前中、準備の時間に少し遅れてしまったところ、既にコースが完成していました。

 

 

たくさんのミニ四駆もレースを待っていました。

 

 

ガチなやつですね。

 

大会の時間になると、子どもたちも、大人たちも、ミニ四駆を片手に集まって来ました。出入りもありなが、全員で20-30名くらいが名もなきミニ四駆大会に足を運び、マイミニ四駆を走らせてはコースアウトとクラッシュを繰り返します。すぐにピットインでチューニング。あっという間の4時間は過ぎ、僕は2位という輝かしい結果を残すことができました。

 

そこで僕がすごくよかったと思うことがいくつもありましたが、象徴的だったものを二つ。

 

一つ目は、長男と次男が「大人のひとたちが本気でミニ四駆をやるんだね」と、楽しいことに子どもも大人もないんだということを知れたこと。そして勝つことも、負けることもあったけれど、「がんばれば大人にだって勝てるんだ!」という原体験。パパには勝てなかったということはスルーされましたけど。

 

もうひとつは、横浜市からわざわざミニ四駆を持参して職員と一緒に立川まで来てくれた男性がいたことです。なかなか社会やひととの接点を持つことが苦手なひとで、電車に乗ると疲れてしまうこともあるそうです。そんな彼が「ミニ四駆大会なら」と、遠くから足を運んでくれました。それが本当に嬉しかった。

 

他のものでもよかったのかもしれないですけれど、今回のミニ四駆大会によって、ちょっとでも新しい「場」に行ってみようと思ってくれたこと。不安だったかもしれないですが、初めての出会いである僕らとポツポツと言葉を交わしてくれたこと。そこにはアセスメントも相談もなく、ミニ四駆について一緒に語ることができました。

 

 

世代も住まいも異なる見知らぬひとたちが、ミニ四駆を走らせに来てくれた空間は、非常にゆるい雰囲気で、ミニ四駆を走らせても、見ているだけでもよく。何か制約があるわけでもなく。子どもも大人も入り混じって、誰かから何かをするようなこともありません。とてもゆるい、ゆるい居場所がそこにあり、そして、そのきっかけとなったのが、どうしようもない理由で、僕が本格的なコースでミニ四駆を走らせたいといったものです。

 

ミニ四駆楽しいという声や、またやりたいという希望、次は勝つ!というリベンジ宣言などを残して、一日が終わりました。