大正製薬株式会社「令和6年11月13日」 | 林田学監修:薬事法ドットコム 措置命令・確約手続きデータブック

林田学監修:薬事法ドットコム 措置命令・確約手続きデータブック

元政府委員・薬事法ドットコム社主の林田学です。景表法のプロ薬事法ドットコムが措置命令・確約手続きについてお伝えしていきます。

Ⅰ.分類

1.誤認類型

ステルスマーケティング告示

 

2.表示媒体

WEB

 

3.業界

健康美容

 

Ⅱ.違反行為者

大正製薬株式会社

 

Ⅲ.措置命令の概要

(1)対象商品

「NMN taisho」と称するサプリメント

 

(2)対象表示

ア 表示の概要

(ア)表示媒体

「大正製薬ダイレクトオンラインショップ」と称する自社ウェブサイト

 

(イ) 表示期間

令和6年4月3日及び同月19日から同年5月22日までの間

 

(ウ)表示内(別紙

第三者に対し、本件商品の無償提供及び対価の提供を条件に、本件商品に関して「Instagram」と称するSNS(以下「Instagram」という。)に投稿を依頼したことなどによって当該第三者が投稿した表示について、一部を抜粋して、令和6年4月3日及び同月19日から同年5月22日までの間、自社ウェブサイトにおいて、例えば、「Instagramで注目度上昇中⤴」、「品質にこだわりたい方には特許処方の大正製薬『NMN taisho』」、「様」、本件商品を持つ人物の画像及び「いくつになっても自分らしく、ʻʼ今が最高ʻʼと思える活き活きとした日々を過ごしていきたいですね!」等と、別表「表示内容」欄記載のとおり表示していたことから、大正製薬は、本件商品に係る同表「表示内容」欄記載の表示内容の決定に関与しているものであり、当該表示は、大正製薬が自己の供給する本件商品の取引について行う表示(以下「事業者の表示」という。)であると認められる。

 

イ実際

前記アの表示は、第三者が投稿した表示について、大正製薬が当該第三者に対して依頼した投稿であることを明らかにしておらず、表示内容全体から一般消費者にとって事業者の表示であることが明瞭になっているとは認められないことから、当該表示は、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難であると認められる表示に該当するものであった。

 

⑶ 命令の概要

ア 前記⑵アの表示は、前記⑵イのとおりであって、本件商品の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがあるものであり、景品表示法に違反するものである旨を一般消費者に周知徹底すること。 

イ 再発防止策を講じて、これを役員及び従業員に周知徹底すること。 

ウ 今後、同様の表示を行わないこと。

 

Ⅲ.メディアの報道

大正製薬は、「NMN taisho」について、インフルエンサー3人にインスタグラムでの宣伝を依頼。その投稿を自社オンラインショップに転載した際、「広告」や「PR」などサプリの宣伝と判断できる記載をせず、閲覧者に第三者の感想と誤認させる表示をしていた。 3人のフォロワーは、それぞれ1万~3万人ほどで、報酬はサプリ1箱(30日分、約3万2000円相当)と現金1万円前後。インスタへの投稿は「PR」と表示があった。 このサプリは、昨年3月の販売開始から今年4月までの売上高は約4億円に上る、と報じている(読売新聞)

 

Ⅳ.薬事法ドットコムからのコメント

声はわずか3名。不可解な事件です。