■哀愁 葵三音子

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琴の音を模したような電子音が印象的なイントロ。


それに続く歌いだし。


あの恋も過ぎてみれば 淡い夜の夢


もうこの時点ですっかりドラマの世界に入ってしまいます。


1975年7月から翌76年1月にかけて放送されていたシリーズ第六弾「仕置屋稼業」の主題歌。


作詞:片桐和子さん、作曲:平尾昌晃さん。


曲の感じは「仕留人」の「旅愁」「仕事屋稼業」の「さすらいの唄」 の路線を引継いでいてしっとりしていますが、この2曲よりは情感を強調したような歌い方を葵三音子さんはしていらっしゃるように感じます。


ほんの少しだけ「仕置人」の「やがて愛の日が」 に戻ったような感じでしょうか。


星空 三日月 夜の街 三日月 星空


この曲の2番の歌いだし。


傷つくと知りながら 恋をくりかえす
ひとりきりで生きられない それが人の運命(さだめ)


このフレーズとても好きなんです。


その昔はよく「あらら・・・」ということが多くて、その度にいろいろと思い悩んだりしたものですが、このフレーズに出逢って、腑におちるものがあったのでしょうね。


何かがふっきれたようになりました。


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「仕置屋稼業」。


前作「仕事屋稼業」がその途中で、放送曜日、放送時間帯だけでなく、チャンネルの変更が行われたせいか、シリーズ中最高視聴率をたたき出していた状態が、急激に視聴率が低迷して、いよいよ存続の危機に。

こちら をご参考に。


そこで「仕置人」「仕留人」で登場した「中村主水」というキャラクターを中心に据えた作品が後を継ぎましたが、
それが「仕置屋稼業」。


中心は「中村主水」ですが、沖雅也さん演じる「市松」のために作られた作品ではないかと思うほど、その存在は
光彩を放っています。


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私が贔屓にしている「蔵原惟繕」さんがメインでメガホンを取っていると思われる作品がこのシリーズで3作あると思っていますが、この「仕置屋稼業」もその一つ。


夕陽をイメージしたような光で表現される幽玄ともいえそうな美、ストップモーション/スローモーションの効果的使用、などが特徴的だと思っていますが、BGMも名曲ぞろい。


女声を中心に組み立てられた、「市松」をモチーフにしたものと思われる曲や、次回放送予告でも使用された曲は聴き惚れますし、回想シーンや緊迫シーンでよく使われる曲の数も素晴らしい。


でもやはり山場の「仕置」で使われるBGMが出色。


むせぶように鳴り響くテナーサックス。


このBGM、主題歌「哀愁」を大胆にアレンジしたもの。

元曲のイントロの部分はなく、いきなり

ブォー ブォー ・・・

と力強い低音のサックスの響きが心を揺さぶります。


シリーズの主題歌のほとんどはアレンジされて山場のシーンのBGMとして使用されていますが、これほど大胆に、しかも魅力のあるアレンジは他にはないと思っています。


これはファンの贔屓目でしょうか。


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葵三音子さん。


この番組のファン以外の方で覚えている方はどれくらいいらっしゃるのでしょうか。


この作品の24話でほんの1シーンだけゲスト出演なさって、「哀愁」のさわりを披露して下さっているのは嬉しいところです。


昔の新聞を眺めていたら、バラエティ番組で歌のゲストとして出演なさっていたのを見つけて、おお、って思いました。

こちら の記事です。


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エンディングにこの「哀愁」が流れますが、テレビサイズはオリジナルのイントロの部分を短縮していますね。
他にも違う部分があるかも知れません。


エンディングの画像は「市松」のシーンで始まりますが、それは流れるように美しく、また表情もニヒルで見惚れてしまうほど。


その画像に流れるこの「哀愁」はもはやセットのようなものになっています。


「哀愁」という曲が好きなのはもちろんですが、この「仕置屋稼業」に対する想いがいっそうこの曲を好きにさせているようです、私の場合。


◆シリーズ「仕掛人~仕事人」主題歌/挿入歌