EURO2008 スペイン優勝。

テーマ:
「世界の潮流」が変わるきっかけになるかもしれない。
優勝したスペインは華麗なパスサッカーで対戦した全チームを圧倒。スペイン以外の勝ち上がったチームにも一定の傾向が見られた。それは「攻撃のできないチームは勝てない」という新たな流れであった。

●至高のフットボール

今大会のスペインはそれほどまでにバランスと選手層に優れ、なおかつ常に主導権を持つ積極的なサッカーで勝ち進んだ。2004年頃から「守備的なサッカーが最後に勝つ」時代が続いたが、スペインの姿勢は全世界に衝撃を与えたことだろう。

スペインにとって今大会のハイライトは決勝のドイツ戦だ。全対戦国の中ではイタリアに次いで実力が近く、イタリアよりも攻守のバランスには優れたチームだった。それでもスペインは全く変わることなくパスを繋ぎ、前線の選手がその一つを確実に仕留める。アグレッシブさが売りのドイツを見事にかわしてボールを保持し、相手の穴を突き続ける。スペインの完勝は「技」によってもたらされたものだった。

●攻撃は最大の防御

今大会は派手な逆転劇や大量得点の勝利などが相次いだが、勝ったチームに共通していたものは「攻撃力」や「積極性」であった。旋風を巻き起こしたトルコはそのどちらも兼ね備えていたし、ロシアもオランダ戦は積極的な攻撃が勝利を呼び込んだ。

逆に攻撃の形が構築できなかったイタリア、フランスは選手層が厚くとも結果を残すことができなかった。オランダもグループリーグこそ素晴らしい結果を残したが、ロシア戦では相手の出方を伺っているうちに試合が終わってしまった印象である。

EURO2004のギリシャ、ドイツワールドカップのイタリアは堅い守備がベースにある「リアクションサッカー」だった。今大会でスペインが示した「勝てるアクションサッカー」のスタイルは、今後のサッカー界の新たな潮流を作る第一歩となるだろうか。

京都サンガFC 2-1

原一樹が呼んだ今季初めての逆転勝利!
どうしても勝ちたい中断明けを白星で飾ることができた。

●当たり前が新鮮・・・

原一樹がマルコス・アウレリオに変わって入ったのは78分。フェルナンジーニョの先制点の直後に追いついたエスパルスだったが、相変わらずテンポが遅く得点の匂いはなかった。むしろ佐藤勇人にバー直撃のシュートを打たれるなど、後半は明らかにサンガペースだったと言っていい。

そんな状態を一変させたのが原の「当たり前だが新鮮」なプレーだった。決勝点の直前、前線左サイドでボールを受けた原だったがサンガDFに奪われてしまう。しかしそこで諦めずにボールを奪い返した。このプレーでエスパルスはFKを獲得し、それがシジクレイのOGにつながったのだった。

「奪われたボールを取り返す」

これは当たり前のプレーだ。少なくとも、健太就任2年目くらいはこの守備は普通だった。それがいつの間にか誰もしなくなり、珍しいプレーになった。奇しくも京都へ放出されたフェルナンジーニョは、原のように追いすがることはしなかっただろう。

原の積極的なプレーが逆転を呼び込み、停滞したゲームに喝を入れてくれた。
今日ピッチに立った選手全員が彼のプレーを学んで欲しい。

●課題は山積み・・・

「放出したフェルナンジーニョに決められて負ける」という最悪のパターンは逃れたエスパルス。しかし今日のゲームを見る限り改善点は山のようにあると言わざるを得ない・・・。

1.テンポが遅い

2.シュートが少ない

3.守備陣の集中力

特にシュートの少なさは異常である。この試合はわずか6本だ。6本で逆転勝利できたのは奇跡に近い。
守備陣も以前の安定感を取り戻すにはまだまだである。終了直前には高木和道の空振りが大ピンチを招いた。今季は「ポカ」が失点に繋がっている印象が強い。とにかくワンプレーにもっと集中しないといけない。

次節の相手は残留争いの場合ライバルとなるだろう札幌。
もっともっとハードワークをして相手を圧倒するエスパルスを期待したい。

復調を遂げつつある浦和において、未だエンジンがかからないのが高原。ワシントンの穴を完全に埋める最終兵器として呼ばれたが、4月に入ってもノーゴールという寂しい結果である。


高原が日本に帰ってくると聞いて、「なんで?」と思った人が少なくないだろう。僕もその一人だ。昨シーズンにドイツでようやく能力を発揮し、さあこれからというときの帰国だった。海外で通用する国産FWとして彼に期待している人間にとってはものすごい勢いで肩透かしをくらった感覚だった。


帰国の主な理由としてはフランクフルトで監督と衝突(仲違いというほどではないものの)、そしてワールドカップ予選を控えて日本代表での地位を確立したいという思いが挙げられる。なんとなく聞いたら納得はできる理由だと思う。


しかし彼がHSVからフランクフルトに移籍した経緯や現時点での代表でのポジションをよく考えると不可解だ。出場機会を求めて移籍、昨季は開幕から怪我で出遅れても実力でポジションを奪って見せた。今季満足に出場できなかったのも怪我のせいだ。であったら再び実力でポジションを奪えばいい。


ところが話はそういう方向には向かわず、逆になかなか結果の出ないエースを右サイドで起用した監督に不満を抱いた。そこへ浦和からのオファー、オファーに応じ帰国。話が楽な方向へ流れていると感じるのは僕だけだろうか。


代表でもはっきり行ってライバル不在の状況だった。わざわざJリーグに帰ってこなくても大きな大会で呼ばれるのは確実な存在だ。「代表でのコンビネーションを高めたい」という理由はあるだろうが、そのために欧州のキャリアを終わらせるのもなんだか寂しい。


つまるところ、現在の高原には「ハングリー」が足りない。少なくともメッシーナで冷遇され、それに対する反骨心からか現在抜群のパフォーマンスを見せている小笠原とは漂う空気が違う。


今季は永井が決定力を見せている中、誰もが安泰と思われた第一FWの座が一気に怪しくなってきた。彼らしい豪快なゴールが再び見られるのはいつになるだろうか。まず昨シーズンのようなゴールに対するハングリーさを取り戻すことが先決だ。


きっと岡田監督も気が気でないだろう。

退路を断って

今のエスパルスはヤバイ。


チョジェジン移籍のダメージは予想以上に大きく、攻撃が成り立たないほどの危機的状況に追い込まれている。


グランパスの「ヨンセン」という柱がうらやましく思えた。思えば一昨年は藤本と兵働の両サイドが今日のグランパスのような面白いサッカーを演出してくれていた・・・


今日、サポーターがチームのバスを囲むというエスパルスにしては非常に珍しい事件が起きたらしい。


ここ数試合の試合の内容を見ればその気持ちもわからなくもない。何より、サポーターは監督に対する信頼が揺らいでいた。もともと頑固な監督。結果を出しているうちはいいが、結果が出ないとその頑固さは疑いの的へと変わってしまう。


正直なところ私も疑い始めていた。新しい監督を連れてきて欲しいと思ったこともある。だけどそれではすっきりしない気持ちがあった。監督が変わって、それだけで変わるのか?もっと悪くなりはしないだろうか?


結局、今日のサポーターの行動はそんなモヤモヤから起こったことだろう。サポーターとチームは一心同体だが、意思が通わなければそれも成り立たない。


監督の口からは「辞任しない」「自信はある」とはっきり伝えられたそうだ。今日の公式コメントにもあったが、いつもの堂々とした受け答えというよりは今の状況に困っている様子が見て取れた。つまり、監督もヤバイと思っている。それを知ることができただけで収穫かもしれない。


残りは28試合。ここから残留争いになるか、上位に食い込むか。チームのポテンシャルから見て確実に上は狙えるはずだ。


退路を断った監督。もう一度信じてみようと思う。一年目にJ1残留を成し遂げてくれた輝きが戻ることを願って。

「Shinji Ono」が再び羽ばたく

テーマ:

小野伸二はやはりこうあって欲しい。そう思わせるような鮮烈デビューだった。


欧州冬の移籍期間にブンデスリーガのボーフムに移籍した小野。フェイエノールトから浦和に復帰したのが2006年ワールドカップの前だから約2年前になる。2度目のJリーグ在籍期間は実力の片鱗を見せたこともあったが、ほぼ丸2年の間怪我に悩まされた。約3億と言われた高い移籍金に見合う活躍はなかったと言っていい。


今回の移籍は浦和の「親心」が成立させたようなものだ。来季の覇権奪回に向けて必要戦力である小野を、獲得した時より安い移籍金(1億半との報道)で放出。ドイツW杯後は日本代表からも漏れ、日本で燻っている姿をどうにかしたいとの思いが強かったのだろう。


そこで本人はというと、懸念された左足首痛の経過も良好のよう。浦和からの恩も心に抱え、2年ぶりの欧州復帰に意欲も高い。デビュー戦となった3日のブレーメン戦では、途中出場ながら2アシストを記録して逆転勝利を演出してみせた。UEFA杯を主力として制覇したこともある小野に周囲の期待は大きい。


怪我さえなければ・・・といわれ続けている小野。ならば、怪我をしなければいいのだ。「Shinji Ono」という才能が、再びヨーロッパを驚かせる。日本中が心待ちにしていた再出発が始まった。