復調を遂げつつある浦和において、未だエンジンがかからないのが高原。ワシントンの穴を完全に埋める最終兵器として呼ばれたが、4月に入ってもノーゴールという寂しい結果である。


高原が日本に帰ってくると聞いて、「なんで?」と思った人が少なくないだろう。僕もその一人だ。昨シーズンにドイツでようやく能力を発揮し、さあこれからというときの帰国だった。海外で通用する国産FWとして彼に期待している人間にとってはものすごい勢いで肩透かしをくらった感覚だった。


帰国の主な理由としてはフランクフルトで監督と衝突(仲違いというほどではないものの)、そしてワールドカップ予選を控えて日本代表での地位を確立したいという思いが挙げられる。なんとなく聞いたら納得はできる理由だと思う。


しかし彼がHSVからフランクフルトに移籍した経緯や現時点での代表でのポジションをよく考えると不可解だ。出場機会を求めて移籍、昨季は開幕から怪我で出遅れても実力でポジションを奪って見せた。今季満足に出場できなかったのも怪我のせいだ。であったら再び実力でポジションを奪えばいい。


ところが話はそういう方向には向かわず、逆になかなか結果の出ないエースを右サイドで起用した監督に不満を抱いた。そこへ浦和からのオファー、オファーに応じ帰国。話が楽な方向へ流れていると感じるのは僕だけだろうか。


代表でもはっきり行ってライバル不在の状況だった。わざわざJリーグに帰ってこなくても大きな大会で呼ばれるのは確実な存在だ。「代表でのコンビネーションを高めたい」という理由はあるだろうが、そのために欧州のキャリアを終わらせるのもなんだか寂しい。


つまるところ、現在の高原には「ハングリー」が足りない。少なくともメッシーナで冷遇され、それに対する反骨心からか現在抜群のパフォーマンスを見せている小笠原とは漂う空気が違う。


今季は永井が決定力を見せている中、誰もが安泰と思われた第一FWの座が一気に怪しくなってきた。彼らしい豪快なゴールが再び見られるのはいつになるだろうか。まず昨シーズンのようなゴールに対するハングリーさを取り戻すことが先決だ。


きっと岡田監督も気が気でないだろう。