義母は、通帳を何冊も持っていて、わざわざ煩雑な管理をやっていた。
もう少し簡単に整理しよう、一緒に管理させて欲しいと言っても、
「自分で整理するわよ!だから今、いろいろ調べてるんじゃない!」
通帳や書類を広げて、電卓をたたき、メモしている。
しばらくすると、また同じ書類を広げて、考え込んでいる。
メモもたくさん、書類の書き込みもたくさん、あるのに、
同じところをグルグルしていることにすら、気付いていない。
義母の脳では、もう整理は無理なんだよ…
っていうか、元から煩雑なんだから、ゼッタイ無理だよ…
息子夫婦は、ガンコな義母が、白旗をあげるまで待つしかなかった。
そして、先日、ついに、「整理したい」と言って来た
最初に言われたのが、義父の都銀の口座をやめたい。
そのためには、義父の外資系証券会社の投資信託、
この配当金がに振り込まれてきているので、なんとかせねば。
夫は、解約を勧めたが、
「今はまだしない、内容が整理ついてないから」
夫が渋々、口座変更の手続きをしたのが、
義母がまだ鬱状態だった、7月のこと。
8月末、うつから回復して、”躁”気味になってきた。
躁になって、また通帳を眺め始めた。
躁になって、またイライラし始めた。
物忘れは、どんどん酷くなる。
もしかして、自分が言った事も忘れて、「勝手にやって!」とか、言わないよね
すると、不安的中
昼に、嫁が階下に行くと、
ラーメンの封を切っていた義母が、手を止めて、怖い顔で言った。
「また息子が、黙って勝手なことをした!」
「外資証券の入金先は、義父の口座②に変えて欲しかったのに、勝手に①にして!」
あ~れ~
この前の日に、
義父の地銀口座は①にまとめて、②は解約って、嫁と話したじゃない
「②は解約することで、昨日、私と話し合ったでしょ?それは覚えてる?」
「それは、覚えてる」
「だったら、これから解約する②に変更されたって、困るでしょ。だから①で良いんだよ」
「違うわよ!それは②に入れて管理するの」
ほら、このレベルの話が、もう通じないんだよ
「それに、夫は、勝手になんて、してないよ、話し合って決めてたじゃない」
「話し合いなんて、してない!」
「してたよ~ 」
「してたら覚えてるはずでしょ!話なんてしないで、勝手にやったんだ!」
「覚えてないのね。じゃあ、今度から、話し合ったときは、何か証拠を残すようにするから」
「…」
「お昼のラーメン作りながら、立ち話してても仕方がない。後で、通帳見て、話そうね」
「話したなら、覚えてるはずだ!」って、よくもまあ、そんな断言できるね
自分を守るためで、悪気がないのはわかるけど、
でも、こっちも悪くないし
船出したばかりなのに、もう座礁しそう
イライラには、甘い物でも与えておくか。義母の大好きな生クリーム大福