誰よりも美しく山に登る人 | snyfのブログ

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今年初の、岩手山🏔



冬季の岩手山に登る力量は

まだ自分にはないと思っていたので

あえて冬はずっと岩手山を避けていて


でもやっぱり、

これまで登頂した中で1番好きな山だから

雪の残る岩手山への

強烈な憧れはずっとあってね。


いろんなアプリ見たり

天気図ながめて考えたりして


"今日なら行けそうかな"


と思ったので、

思い切って行ってきました。


最初から登頂する気はない、

といったら変に聴こえるかもだけど

「絶対に無理はしない」

と、心に決めて。


漫画「岳」の中で

主人公の島崎三歩が言ってたもん。


"山に捨てちゃいけないのは、

ゴミと、生命だけ。"


昨日、全国初の真夏日となった岩手県。

まあ今日も暑くて暑くてね。





滝のように汗が流れました。


頂上付近のことも

ちゃんと考えてのチョイスだったんだけど

結果的に服装ミスった。


ひとりぼっちで登る岩手山は

やっぱりむっっっちゃ心細くて


馬返し駐車場には

確かに数台にせよ車があったはずなのに

ほんとに誰ともすれ違わないし

1合目以降、トレースも微妙で






"なんかあったら嫌だから今日はやめとこ😢

山に捨てちゃいけないのは、ゴミと生命!"


と、せっかく天気良くて

むっちゃ悔しかったけど

下山しました。


帰り際

60〜70歳くらいですかね

男性の方とすれ違って


「こんにちは☺️

どこまで行きました?」


と訊かれたので


「今年初の岩手山なので

無理しないようにと思って

お恥ずかしながら

1合目で帰ってきました😢」


と言ったら


「いいじゃないですか!

登頂しなくても、

岩手山に登ったんですから。

素敵なことです☺️」 


と声をかけてくださり、

なんだかどうしようもなく胸を打たれました。


今読んでる漫画、「岳」の

三歩と同じこと言ってるー!!

って、シンクロニシティにも感激してね😢






"登頂できなかったけど、

俺、いい登山したんだな😢"


って

その男性のおかげで思えました😢


お逢いした男性の方、

もしこのブログ見てましたら

本当にありがとうございました😢


僕の個人的な目標は

"豊かな登山"をすること。


なんかその"豊かな"っていうのは

とてつもなく深い概念だなって

そう思うんですね。


"美しく"というのも

僕の中では含まれるのです。


僕が登山を始めて

ちょうど1年が過ぎたところでね


ベテランさんからすれば

まだたったの1年か!

って思う人もいるのかもしれないけど

素晴らしい1年でしたよ。


まだ"登山人生"は始まったばかりだけども

その僕の登山人生のなかで

重要な人といえば


僕を山にいざなってくれた先輩と

僕の中で最も美しく山に登る人

この2人なんですけども。


まあ、

山に導いてくれた先輩のことは

前にブログで書いたので

今回は書きませんけどね。


僕の中で重要な、

"最も美しく山に登る人"

という存在もいるのです。


まあその人は

いくら僕が尊敬し称賛するにあたっても

公になることは

きっとこれっぽっちも

全く望んでないと思うので

誰のことなのか

全く解らないように書きますけどね。


たとえばさ。


今日登った岩手山、

むっちゃ美しいなー!!!

きれいだなー!!!

って思う。


かっけー!!!!!


とも思うね。


同じような感情を

まだ登ったことのない僕の中の永遠の憧れ

「槍ヶ岳」に対しても、思う。


剱岳、燕岳もそう。

斜里岳もそう。


いつか登頂できたら

もっともっと、思うんだろな。

山って登ったり、登頂したりすると

それまでよりももっともっと大好きになって

特別な感情が生まれるからね。


あと

登れるなんて思ってもないし

登りたいとも全く思ってないけど

俺が山に興味をもつようになった、

直接のきっかけとなった山、

カラコルム山脈のK2に対しても

同じことを思う。


憧れ、敬意、

いろんな複雑な感情の果てに、

あるいはそんなの含まず

ただシンプルに、

山の美しさ、

山そのものの美しさ、

山道の美しさがある。


それはひとつの確かなこと。


そしてもうひとつ。

登山の途中や、

山頂から見た景色の美しさ、

というものもある。


人生初の登山で

登頂するまでは

「もう2度と登山なんてするか!」

って本気で思ってたのに

鞍掛山の山頂から眺めた景色に

死ぬほど感激して

今もこうして山に登り続けているという

考え方をほんとに180度変えてしまうような

強烈な威力をもつ"美しさ"

というものも、山にはある。


姫神山のように

頂上付近までは木たちが茂って

ほとんど外の景色が見えないけれど

頂上付近にたどり着いた瞬間、

絶景が広がって胸が打たれることもあるし


岩手山や早池峰山のように

登山途中でも

振り返ると絶えず変わり続ける絶景に

感激することもある。


そんな美しさも

確かに存在する。


そしてそのほかに。


山に登る人にも、

"美しさ"がある。


この話をするために

話をちょっと変えるけど


僕、クラシックファンでもあってね

クラシックむっちゃ聴くんだけど

前はね、僕、指揮者に惹かれたこと

全くなかったんですね。


ホロヴィッツとかさ、そんなピアニスト、

あるいはカザルスとか、

チェリストに惹かれてた。


でも、

カルロス・クライバーって名指揮者がいて

彼はほんとに

まるで指揮台の上でダンスするように

タクトを振るんですよ。


それも、

とびっきりの笑顔で。



クライバーを知った瞬間、

もう一瞬で彼の虜になってね☺️


CDからDVDから

もう片っ端から集めましたよ。


だってあまりに美しいんだもの。


同じようにさ

僕はピアノ弾くし

数学科卒の人間ですけども


技術がどうこうじゃないの、

「いったいどんな人生を歩んだら

こんな音を出せるんだよ」

っていうくらい美しい音を出す、

まるで鍵盤の上で指がダンスしてるような

そんなピアニストもいるし


数学者は数学者たちで

この世の真理を表記できる、

美しい数式を求めて

どうしようもないくらい

数学に魅せられて

毎日"Number(数)"と

ダンスしてるんだと思うんですね。


同じように

まるで登山道がリンクで

その上で山とダンスしてるんじゃないか

って思っちゃうくらい

"美しく"山に登る人がいる。


山に対する愛や敬意、

それらがもう溢れていて

素敵なの。


あんなふうに登れたら

どんなに素晴らしいだろう


って思うんですね。


きっと山も嬉しいよ。


ただはるばる山にきて、

一生懸命のぼって、

わあー!!!✨✨って感激して

楽しんで

無事に下山して


それだけで山は

とっても嬉しいだろうに


美しく登ってくれる人なんてさ

もう山も、どんなに嬉しいだろうね。


最期に、武者小路実篤の

僕が大好きな言葉を。


人間は神が創ったということは

僕には信じられない。

神が創ったにしては、

人間は無情すぎ、不完全すぎるからだ。

しかし自然が生んだとしたら、

人間というのは

あまりに傑作すぎるように思えるのだ。