朝礼時、支社長が突然やってきた。

そして、ほんとに10分、いいたいことだけいって

「じゃっ!」

と去っていった。

・・・これが最後かもしれないのに、みんなあっけにとられて、しばらく無言・・。


支社長は、たぶん最後の現場だといっていた。

そして、いくつか経験した支社でも、実に思い出深い支社だったといっていた。

でも、わたしは思う。

この人は、現場なんかにいる人じゃない。

これだけバイタリティと発想力、そして人脈のある方は、もっと上の方で大きな仕事をするべきだと。

こういう方が会社の上層部で会社を動かしてくれると、末端のわたしたちが働きやすくなる。

たぶん、独立したって成功出来るだけの要素があるのに、あえて組織の中で飽くなき挑戦する姿を、わたしは尊敬している・・ゞ

でも、側近さんは大変だね。

なにしろ、ホリエモンみたいに次から次へといろんなこと思いつくから。



支社長の話の途中で、わたしの隣りの席の不思議ちゃん(社歴10ヶ月)、ぐすぐすと泣き出した。

やめてよー。わたしだってこらえてんだから。

彼女は、自分のことをいわれているんだと思ったんでしょうね。


「みんな何もしてくれない、冷たいって思ってる人、

まわりを良くみてみなさい。

みんな手を差し出しているんだよ。

でも、あなたが心を閉ざしてしまったら、その手はもう届かないんだよ。

自分から孤独になるな」


そうだよー。

こっちから、

どうなの?

なんてきけないんだから。

わたしも要領悪いから、つい自分の世界に入ってるけど、迷惑とか思わなくていいんだよ。

わたしに教えられることがあれば、いくらでも答えるんだから。

先輩なんて、利用するだけ利用して、踏み台にしていけばいいんだよ。

だから来年は、ちゃんとお給料になる仕事をしようね。

「お金ないから・・」

なんてお手製弁当広げられると、お昼も誘えないじゃん。