夕方職団に行くと、めずらしくそこの所長さんがからんできた。

「なんか疲れた顔してるな~。大丈夫か?

まだ終わってないぞ!もっととってこい!

とかっていわれてるんだろ~」


その後、極道と、襦袢のはだけた女ーーー

の所長のひとり芝居が延々始まる。(なぜか関西弁)

襦袢のはだけた女はわたしらしい。

ありえないっつーの!(つくしちゃん風)


「うちの所長はそんなこといいませんよー」

「あ~、あのまじめそうな人か。そうだな。保険会社の男って、おとなしそうなの多いもんな」

ここの所長さんは、極道なんだよ。といわれれば、あ~やっぱり。というタイプ。

同業他社の人が、

「あそこの営業って、石原軍団みたいじゃないですか?僕はこっちの会社に入って良かったですよ。ホント」

というぐらい、苦虫つぶした集団なんです。


「ていうか、むしろ逆ですから。

うちの所長はいい人だから誰も何もいいませんけど、昔いた所長は泣いてましたから」

「そうだな。保険会社の女は強いもんな」


再び、所長のひとり芝居が・・。


「で、ここをなんとか・・っていおうもんなら、ムリですね。って、しかも即答なんだろ」

そうです、まさに。

わたしなんて、「・・・なんとか」の「か」をいうかいわないかのうちに

「ムリです」

というタイプ。


その、以前いた所長を泣かしたのはわたしではないけど、わたしのことも相当恐れていたらしい。

わたしにいいたいことがあっても、自分のとこに呼びつけられないから、わたしのそばまでくるんだけど、結局何もいえずに通り過ぎる。

で、勇気を出してわたしと話すると、決まってその後トイレに行く。

な~んか失礼なんだよねぇ。

まあ、赴任早々わたしに怒られたのが効いたらしい。

だって、まだ申込書ももらってないのに、朝礼で

「○○さん、4000万、おめでとう!」

なんて拍手するんだもん。

やっぱ止めるっていわれたらどうすんのよ!24日に。

埋められないって。こんな数字。


「今度こんなことしたら、所長とは絶交するから!!」(って小学生か)


所長、うちの営業所が初場所だったから、いきなり縮み上がっちゃったらしい。

でも、こいつ、草食動物みたいなやつなんだもん。

飲みに行っても冷奴と枝豆しか食べないし。

日本酒飲んで豹変するし。

何いってもニコニコしてるし。

でも、一度だけ、わたしのために支社の上司に涙ながらに抗議してくれたことがありました。

そういえば、風邪引いて一週間近く休んだ時、わざわざ家まで見舞いにきてくれた。

そんな所長は後にも先にもあの人だけだったなあ・・。

ごめんね。冷たくして。

今、どこで何してんだろ。

いなくなったらなったで懐かしく思い出したりする存在なんだよね。

所長って。


そして、年内で支社長の急な異動。

お世話になりました。