「ごめん、、やっぱり、」
「ううん、良いの。気にしないで。」
そう笑ってくれる彼女に僕は何度も心でもごめん、と謝る。
まだ僕は、彼女を抱くことが出来ない。
今までの女の子たちはみんな、
僕が抱けないことを知ると泣く子もいれば怒り出す子も居たし無理矢理にでもしようとしてくる子も居た。
そしてみんな僕に別れを告げる。
彼女と結婚を決めたのは、
このことについて彼女は何も言わなかったから。
大丈夫だよ、と笑う。
これが、僕とキュヒョンが望んだ結果だから。
苦しんで苦しんで、決めたゴールだから。
例え、僕がまだキュヒョンとしかそういう行為に及べないとしてもーーーーー
僕とキュヒョンが恋に落ちるのはごく自然だった。
幸せだった。とてもとても。
でも、
僕たちは若かった。
何も考えてなかった。
何も知らなかった。
「 そこに愛があるなら 」
「 思い合っていれば 」
そんな在り来たりなことばで
一番の障害「 男同士 」と言う事実から2人で必死で逃れようとしていたんだ。
僕は本当に男同士でも、其処に確かな愛があれば成立すると思っていた。
幸せになれると頑なに信じていた。
でもそれは、僕の考え に過ぎなくて
世間はそんなものじゃない。
現実はそんなものじゃない。
いつからか、2人ともそれに気付くようになった。
「 ミニ、 」
「 ん? 」
「 幸せになりましょう 」
「 僕は幸せだよ? 」
「 普通の幸せを手に入れるんです。何も不安がない確信的な幸せ。 」
「 ... 」
「 ミニはミニの事を分かってくれる人と結婚する。子供を作る。パパになって、子供も奥さんも愛して笑顔に満ち溢れてる。ミニも、、周りの人も、、みんな。」
何言ってるの、とは思わなかった。
キュヒョンは泣いていた。
僕もその涙を拭いながら、泣きながら、頷いた。
「 それが叶ったとき、ようやく、俺たちの関係は許されるんです。今までしてきた事が、否定されなくなります。綺麗なまま、俺たちは存在出来るんだ。」
「 そして、やっと、、お互いの事を心から愛し思い続けることも許される。それが決して言葉に出来なくても。行動に移せなくても。想う事が許される。」
「 それが俺たちの愛の形なんだ 」
キュヒョンは何もかも見据えた様な目をして天を仰いで言った。
僕も同意の意味で繋いだ手をギュっと握り返した。
「 ミニ 、 約束。 」
「 キュヒョナ ... 約束するよ 、 」
絡めた小指がとてもとても暖かくて悲しかった。
僕はキュヒョンとの約束を一つ果たした。
結婚すること。
でもね、キュヒョナ
僕分からないんだ。
幸せなのか。
それに、守れそうにない約束がある。
子供を作ること。パパになる事。
情けないよね、
まだキュヒョナしか無理なんだよ
僕たちの考えは正解だったのかな?
よくわからないよ。
もうわからないよ。
「 ソンミニヒョン、結婚おめでとうございます。 」
そう言って笑ったキュヒョンを見ながら思った。
これで許される?
キュヒョナを想う事は許されるの?
キュヒョナも僕を想ってくれるの?
僕たちの愛の形が完成するの?
子供が出来ないとだめ?
どうせ彼女を一生抱けなくて子供が出来なかったら
キュヒョナと居るときと一緒じゃないの?
何だか泣きそうになった。
でも キュヒョンは言ったんだ。
通り過ぎるときに耳元で
「 約束守ってくれてありがとう、ミニ。愛してます。ずっと 」
ああ、僕たちの愛の形が完成した
end
( つづく? )
