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Naoto's Blog  ~法廷の合間に~

岡山の弁護士のブログです。
法廷の合間に考えたこと気付いたことを不定期につづっていきます。

私が初めて法律事務所を訪問したのは、実は相談者としてでした。


当時、私は司法試験に受かった直後のこと。得意の絶頂にある中、いきなり冷や水を浴びせかけられました。親族の経営する会社が倒産してしまったのです。


私の母が消費者金融の保証人になっていました。その額およそ600万円。


試験に受かっているとはいえ実務的な経験は皆無です。震える母を励ましながら法律事務所を訪問したものの、私自身、どうしたらよいか途方に暮れていました。


結局、相談だけで終わったのですが、その時対応してくれた親切で頼りがいのある先生のことは忘れられません。事務の方も落ち着いた気品のある応接で不安を取り除いてくれました。


私への毎月の仕送りもありましたから、家計は決して豊かでありません。文字どおり手に握りしめて持って行った5000円の記念硬貨を相談料に充てました。その先生は笑って受けてくださいました。


この経験がなければ私は弁護士にならず別の選択をしていたかもしれません。


あれから早や14年以上経ちますが、今でも時折思い出す一コマです。



岡山県在住の士業・各種専門家に法務サポートを提供するためのグルッぽを作りました。


今後、掲示板を利用して、参加者への法情報の提供を行いたいと思います。


興味のある方はどうぞ。


※ ID PASSが要求されますので、加入希望の方は直接こちらのメールアドレスまでお問い合わせください(senoo-naoto@kibi-law.jp)




かつて士業は手続の「門番」でした。


関所を通る人は必ず通行料を払わなければなりません。


①登記手続、②税務申告手続、③給与計算・社会保険手続などが「関所」ですね。司法書士さんが①の、税理士さんが②の、社会保険労務士さんが③の「門番」だというわけです。


我々弁護士も同じです。いうまでもなく弁護士は訴訟手続という「関所」の「門番」ということができます。


我々が「門番」をできるゆえんは、半ば「秘伝化」された手続知識を独占してきたかにほかなりません。通行人は渋々ながらも通行料を払わざるを得なかったわけです。


ところで、ここ10年程度で事情は一変しました。


高度の情報技術とその大衆化により、手続的な情報は誰もが容易に手に入れることができるようになりました。税務や給与の計算ソフトはちょっと勉強すれば誰にでも使うことができます。


訴訟手続についても例外ではありません。以前は専門家しか見れなかったような裁判例が誰にでも簡単に手に入る時代なのです。


各種士業が「関所」にふんぞり返る「門番」でいられる時代は終わったように思います。特に、IT化の影響をもろに受けている税理士さん、社会保険労務士さんが特に顕著であるようです。弁護士の場合、有資格者の急増が今後拍車をかけます。


これからの士業はどうあるべきでしょうか。


溢れかえる情報の洪水の中で有益な専門情報を総合的に取捨選択し、的確な道案内をすることができる「コンシェルジュ」というのが一つの選択肢としてあるように思われます。ただし、そのためには単なる手続的・技術的な「知識」だけでなく、広く、深い「見識」が必要になります。


これは誰にでもできることではなく、不断の努力が必要とされます。精進これあるのみですね…。