古い技術雑誌を引っ張り出しています。

「身近な音」について
面白い記事がありましたので、
ちょっと紹介します。


●音が小さくても不快な音はありうる

音の要素には、
大きさ(音圧)、高さ(周波数)、音色がある。

音は圧力の単位、
デシベルやパスカルなどで表現する。

家電の音の大きさは、
テレビコマーシャルでもアピールされているので、
デシベルという単位を
聞いたことがあるかもしれない。

同じように天気予報で聞く大気圧も圧力だが、
大気圧はゆるやかに変動しているため、
音としては認識されない。

私たちは、小さく早い音圧の変動を
音として聞いているのだ。

この1秒間に音圧が変動する回数が音の高さ、
周波数(単位はヘル)である。


一つの家電から発生する音でも、
さまざまな高さの音が含まれる。

これまでの家電では、
音全体を小さくすることが考えられてきた。

しかし、人の耳は気にした音を選択して拾い。

気にすればするほどその音だけが
聞こえてしまう性質もある。



そこで、最近では音全体を小さくすることに加え、
発生する音を「快音」にする試みがされている。


人が心地よく感じる快音とは
どのようなものなのだろうか。


自然界の音は、
周波数がバランスよく存在しており、
高周波数の音ほど含まれる割合が
減る傾向になっています。

風や水の音などがこの分布で、
人が心地よく快適と感じる音とされています。

その分布からはずれている音を
不快な音に感じるらしい。


つまり音が小さくても、
不快な音がないとはいいきれないのだ。

洗濯機を買いかえて、
前の洗濯機の音の方が大きかったはずなのに、
新しい洗濯機の音の方が気になる、
ということもおこりうるらしい。


また、
快音と不快な音とのちがいは
人によってもことなるため、
厳密に判断するのはむずかしい。

音の大きさや周波数の分布などを
測定することに加え、
人へのアンケート調査を行って
不快な音かどうかを判定している。

現在、掃除機などで、
不快に感じる周波数の部分だけを
おさえる吸収材が搭載されたものもある。


●騒音を音でむかえうつ!

では、
発生した騒音の対策には
どんなものがあるのだろう。

たとえば、
音の発生源を壁などでおおったり、
ふみせん耳栓をして耳に音が
入らないようにする対策がある。

しかし、
スペース的な問題や通気のため
音源をおおえないこともある。

また市販の耳栓は、
飛行機のような高周波(高音)には効果的だが、
低周波(低音)には不向きだという。

低周波にも有効な方法が、
騒音を音で打ち消す
「アクティブノイズコントロール(ANC)」だ。


ある条件の二つの音は打ち消し合う。

同じ周波数の音どうしは、
半波長ずれて一方の波の山ともう一方の谷が
一致する(逆位相)と打ち消し合うのだ。

この性質から、
騒音と逆位相の音を発生させて消音する。

元々は、プロペラ飛行機など、
いつも同じ周波数の騒音がでるところで
使われてきた。

現在では、
一部の自動車に搭載されている。

自動車の加速中に、
ブォーンと低い音が聞こえることがある。

その音を低減するために、
車体に搭載しているスピーカーを利用して
逆位相の音を出すのだ。

また最近では、
ANCが搭載されたヘッドフォンも市販されている。

外界の音をシャットアウトして、
音楽などに集中できるというわけだ。



●目的の場所でだけ音が聞こえる

スピーカーからの音は騒音にもなる。

普通、
音は四方八方に広がる性質をもつ。

そのため、
たとえば「階段にご注意ください」という
アナウンスが、
階段の見えない場所で
聞こえてしまうことが多くある。

複数のアナウンスが聞こえる場所では
とくに騒音と感じるにちがいない。


その場合、
階段の前にいる人にだけアナウンスが聞こえれば、
騒音の発生をおさえることができるだろう。

超音波などの周波数が高い音は、
直線的に進む性質(指向性)があるという。

しかし超音波は、
私たちの耳に聞こえない。

そこで、聞こえる音(可聴音)を
超音波にのせて放射することで、
限られた範囲に音を届けることが可能になる。

超音波と可聴音は空気中で自然に分離し、
スピーカーの正面だけの音の
聞こえるエリアができるのだ。


●家電の音が気になる最近の住環境

家電の音は、
私たちの生活に合うように工夫され、
確実に昔より小さくなっている。



しかし音がうるさい,

という苦情はいまだにあるらしい。

近年、家の気密性があがり、
戸外の音は聞こえにくくなりました。

しかしその雑音が消えた分、
室内の音が気になるようになったのです。

また、
窓にブラインドをかける、
フローリングのままで
生活するといったスタイルが
より音が気になる環境にしているという。

それらの内装は、音を反射しやすく、
吸音しがたいからだ。

では、家電の音が気になる場合、
何かよい対策はないのだろうか。

カーテンやカーペット、
布製のソファーなどを置くことは効果的です。

それらの吸音性は大きいので、
室内の音の印象が落ちつき、
ひびかない感じになるでしょう。
可能ならば家電の配置を
かえてみるのもよいかもしれません。

部屋の音響特性により、
家電の音がことなって聞こえることも多いです。

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エスカレーターで聴こえるアナウンスって、
超音波に載せてるんですね。
虫や動物除けにもなっていそうです😄

低周波音が、クマの威嚇に聴こえるみたいで
クマ除けにも使われているみたいです。

音のある世の中は、
楽しみの他にも危険回避も出来て
騒音に悩まされるばかりではないですね😃