暗い

静かな森に



スッと背筋を伸ばして


自分の青さを

しっかり主張し


咲く

紫陽花













暗闇の中


自分に届く小さな光だけ

頼りなはずなのに



その姿は凛々しく

堂々としている








この紫陽花たちは

闇を知っている








この紫陽花たちは


闇を

知っているのだ











『花を咲かせるため』
あるいは
もっと単純にいうと
『生命を維持するため』に
必要な光


闇では

その大切な光が

届かないことも 

ある





暗くて

耐えがたい

さみしさや辛さを感じる闇


その闇にいることで

いや

その闇にいるからこそ


わかることがある





暗くてさみしい

そして

辛い闇だからこそ

わかることがあるのだ



 





なにも見えない暗闇に

たった一筋の光が

差し込むその時



その光が

たとえ

どんなに小さな光だったとしても

闇が

暗ければ暗いほど

その一筋の光が


『光の存在の大きさ』

そして

そのわずかな光が

『自分の命を救ってくれる』のだと

知る















光の中にいることだけが 

「幸せ」では

ない





明るいことが

あたりまえの世界にいると


とうてい

その光の本当のありがたさには

気づけない





暗闇の中で 

手探りで 這いずりまわり

さみしさや不安の中で 


泣き叫ぶ




泣いても泣いても 

真っ暗闇で 

前にも後ろにも進めない


そんな辛さや恐怖を体験して




ようやく




一筋の


光が

 








一筋の光が









一筋の光が差し込んだときの 



喜び 

嬉しさ 

安心感は 


計り知れない







一筋の光は 

今までみえなかったものを 

みせてくれる


ものの表面だけではなく

裏側も 


そして 

ものの内側までをも 

心の目で

しっかりと 見せてくれる







光と闇


その両方の世界を知っているものだけが

味わえる 

『究極の幸せ』



さぁ、こわがらずに

闇を楽しもうぞ



それが

本当の意味での

幸せへと続く

扉なのだから