普段、スクリーンリーダーを使用してパソコンをしている視覚障害者。
私も5年ほど前にスクリーンリーダーを使ってのパソコンを始めました。
おかげで、今まで知らなかったことをたくさん知ることができるようになったし、生活は180度変わったと思います。
新聞や本を読むことのできない視覚障害者にとって、パソコンでインターネットができるということは、見える人たちと同じように情報を得ることができるということ。
でも、視覚障害者への配慮がなされていないサイトが数多くあり、せっかくの情報が把握できないということもよくあります。


先日ネットニュースに上がっていたビヨンセのサイトの件。
TwitterでもFacebookでもパラパラいろいろ言ったけど、ここにまとめて感想を書いておくことにしました。
すごく長くなりそうな予感…(-_-;)


まずは最初に公開されていたYahooでの記事はこちら

『ビヨンセの会社「視覚障害者に介助ない」全盲のファンに訴えられる』


そして、この記事とヤフコメを受けて、ライターの和久井香菜子さんが書いた記事がこちら

ビヨンセのサイトを視覚障害者が提訴。“クレーマー”と言う日本人の無知コメントも


私は法律のことは全然知らなかったけど、和久井さんの記事を読んで、日本がすごく遅れてることを知りました。
遅れていることそのものも残念だけど、個人的にはこんなわけのわからないコメントをする人が、こんなにもたくさんいることに本当に驚きだし悲しい。


無知なのはある程度仕方ないところもあると思う。
私も、視覚障害以外の障害については知らないことがたくさんあるし、
健常者の人だって、障害のある人との関わりがないと知らないこともたくさんあると思う。
だけど、こうやってきちんとした根拠を挙げた記事を読んでこのコメント。
無知を通り越してる。知ってもわからない人たち。
世の中はこんな人のほうが多いのか?と、社会と接することが少々怖くもなりました。


webの話では、私たちブラインドライターズの仕事にも深く関わってくること。
ブラインドライターズは晴眼者と視覚障害者が、常にネット上で全てのことをやりとりしているので、

新しい何かをしようと思うときはいつも、「音声でも使えるかどうか」から始まる。
 全く読み上げしなかったり、一部だけ読んだり、ほんとにいろいろ。
メンバー全員が共有できるものでなければ私たちは仕事ができない。
在宅で、1人で仕事をしているのだから誰もサポートはしてくれない。
たくさんの人がいる会社などでは、こういう時には見える人がサポートをするのだろうけど、忙しそうに仕事をしている時にサポートをお願いするのは本当に心苦しいものです。
その人は仕事の手を止めなければいけないんだから。
(ちなみに以前の勤務先でこんな思いを毎日のようにしていました…なかなか辛いものだよ)
起こしの仕事でも検索は必須だから、使いやすいサイトが増えてくれると仕事も効率よくなるのになぁ。


サイトに限らず何かを変えるのは、そのときはお金や時間、手間もかかるしいろんなことが大変だと思うけど、
そうしてもらえると、それからは1人でできるようになるから、人の手を煩わせることも少なくなるし、当事者も周りも快適になるのに。


バリアフリーやユニバーサルデザインとかって、当事者のためのものではあるけれど、
その結果周りの健常者の人たちが手伝う時間が減って、みんな仕事の公立良くなると思うんだけど、それがなかなか伝わらない。


そして、障害者がこういう声を上げると、すぐに「優遇」とか「特別扱い」とか言う健常者がいるけれど、これ、全然「優遇」じゃないからね。
だって私たちは、みんなが普通にできていることを、みんなと同じようにできるようにしてほしいだけだから。


webサイトをスクリーンリーダー対応にしてくれたら、見える人たちが目で把握している内容を、耳で把握できるようになるから、

みんなと同じところに立つだけ。それ以上にいくわけじゃないから、それは「優遇」ではない。


とにかく私たちはただ、みんなと同じことが同じようにしたいだけ。


そして、この両記事のコメントの中にいくつかあった「ファンではない」というもの。
これは本当に辛い、悲しい…。
ファンだからこそ声をあげたんじゃないの?

どうでもいい人、ファンでもない人のサイトならこんなことしないと思う。


好きなときに、好きなことを、好きなようにできることは、当たり前だけど当たり前じゃない。


めっちゃ小さいことだけど、

自販機で飲み物を買おうと思っても飲みたいものが選べない。

下手したら、あったかいのかつめたいのかもわからず、とりあえず買ってみるとか。

好きなものが選べるって、当たり前だけど幸せなこと。


健常者の「思い通りにならない」と、私たちの「思い通りにならない」は、そもそもスタート地点が違う。
何かを施してもらって初めて同じ所に立つことができるのです。

それは「優遇」ではなく「配慮」

これ、わかってほしいな。


長くなりましたが、最後まで読んでくださりありがとうございました<m(__)m>


☆視覚障害(ロービジョン)についての記事もお読みいただけると嬉しいです♪

『ロービジョンてなに??』