お世話になりありがとうございます。
1月になり、外来でも腸活や栄養に関するアプローチをさせていただくことが
増えました。皆さん、とても興味、関心を持って聞いてくださいます。
そして、是非、試してみます!と言ってくださいます。
なるほどなーと言っていただける内容として、最も多いのが、
「毎日、食事は三食摂るようにしましょう」という内容です。
第8回目の「炭水化物、脂質、タンパク質について」のブログでも解説しましたが、
例えば、朝食を摂らない場合、朝の血糖値が通常よりもかなり下がってしまいます。
すると昼食を食べた時に、通常よりも血糖値が大きく上昇してしまいます。
そうなると体では、インスリンという血糖値を下げるホルモンが多く分泌され
今度は大きく血糖値が下がってしまいます。そして夕食でも同じようなことが起こってしまいます。
これを「血糖値の乱高下」と言います。このような状態になると、眠気や倦怠感、集中力の低下や
メンタルの不調などが起きやすくなり、心身の不調が強くなってしまいます。
前回のブログで、以下の画像を載せるのを忘れていたので、載せておきます。
結構、インパクトのある画像になると思います。
外来でも朝が起きられず、朝食を食べない、食べられない子が本当に多いです。
時間が無かったり、食欲が無い場合でも、例えば、軽いゼリーやスープなどでも良いので
少しでもカロリーを摂り、血糖値が低い状態をなるべく作らないようにし、
「血糖値の乱高下」が起きないように気を付けてください。
そして次に反響の大きい内容として
「炭水化物はなるべく控えて、タンパク質をしっかり摂るようにしましょう」という内容です。
これも第8回目のブログで解説した通りなのですが、
朝、食欲が無かったり、時間が無い子は、パンやおにぎり、麺類だけの、炭水化物がメインの
食事になりがちです。炭水化物は、確かに手軽で、エネルギーを作りやすいという
メリットはありますが、先ほどの「血糖値の乱高下」が起きやすいことがデメリットになります。
炭水化物はなるべく控えめにし、その分、タンパク質をしっかり摂ることが勧められます。
タンパク質は、肉や魚、卵、大豆などに含まれ、筋肉や骨、髪の毛、皮膚などを作る材料になり、
スポーツや美容に関心がある子にはとても重要な栄養素だと言えます。
体調を整え、健康を維持する、様々な酵素や免疫に関わる抗体の材料にもなります。
ブログでも解説したIgA抗体やフェリチン鉄の材料としてタンパク質はとても重要になります。
またアルブミンというタンパク質が少なくなると浮腫みの原因となります。
そして、タンパク質は多くの神経伝達物質の材料にもなり、非常に重要です。
神経伝達物質については以前のブログで解説しましたが、とても大切な内容なので、もう一度解説します。
タンパク質が分解されると様々なアミノ酸ができます。その中の、トリプトファンというアミノ酸は、
不安や落ち込み、イライラなどに関わるセロトニンの材料となり、セロトニンは、更に睡眠に関わる
メラトニンの材料になります。
フェニルアラニンというアミノ酸は、意欲に関わるドパミンの材料となり、ドパミンは、更に
覚醒に関わるノルアドレナリンの材料になります。ちなみに、ADHDの集中力の欠如や不注意、
多動・衝動性などの特性は、ドパミンやノルアドレナリンの減少によって起こります。
ADHDの子の特性も、タンパク質の不足によって強くなることが知られています。
グルタミンというアミノ酸は、リラックスに関わるGABAの材料となります。
特にセロトニンという神経伝達物質は非常に重要で、不安障害やうつ、PMS、更年期障害にも関わる
メンタルの症状では最も重要な物質となります。
というわけで、タンパク質の摂取がとても重要だということをご理解いただけるかと思います。
年明けからの全10回のブログで色々な解説をしましたが、一番大事な内容は何ですか?と言われると
「タンパク質をしっかり摂りましょう!」だと言っても良いと思います。それくらい重要な内容になります。
外来で、タンパク質をしっかり摂れていますか?とお聞きすると、大丈夫ですと言われるのですが
実はそんなに摂れていないということが良くあります。
以前のブログでも、毎日、どのくらいのタンパク質が必要か?と説明しましたが、
成長期の男の子では60g、女の子では45gが必要だと言われています。
ところが、1回の食事で吸収できるタンパク質には限度があり、1食当たり、20gほどが望ましいと
言われています。では毎食、どのような献立でタンパク質20g摂れば良いか??
実はこれがとても難しいということになります。ここからはこの目安について解説したいと思います。
「クロワッサン オンライン」というサイトの最近の記事に、タンパク質をしっかり摂るための献立が
載っていました。和食と洋食に分けて、ご紹介させていただきます。
どうでしょうか?バランス良く食べられていたら、意外と摂れるような気がしませんか?
そして、こんな本も見付けました。
「1食 20gが簡単にとれる! たんぱく質 しっかりおかず」という本になります。
まだ内容を見ていないのですが、タンパク質を20g摂れる、333種類の献立を紹介されているそうで、
とても参考にできそうです!内容が良さそうなら、クリニックの待合室に置いてみようと思いますので
是非、参考にしてみてください!
更には、こんなアプリも見付けました。
「あすけん」という栄養管理アプリで、結構有名なので、ご存知の方や既に使っておられる方もいるかもしれません。
主にダイエット用なのですが、健康管理にも使えるとても良さそうなアプリです。
毎食の食事内容を入力すると、例えば、炭水化物や塩分は多いけど、タンパク質やカルシウムが少ないので、
他にもこんなおかずを追加してみましょう。などといった的確なアドバイスをしてくれます。
基本的には無料なのですが、月300円の有料版にすると、食事の写真を撮ると、それを自動認識してくれて
入力の手間が省けたり、毎食ごとのアドバイスをしてくれます。無料でも十分な機能だと思いますが
コスパも良いので、良かったら有料版も検討してみてください。ちなみに下竹も、5日前からインストールをして
使っています!
外来で、お腹の調子が悪い方、特にSIBOやSIFOが疑われる方に、食物繊維はあまり摂らないように
しましょうとか、低FODMAP食をしっかり摂ってくださいなどとお伝えしています。
しかし、実際に、どんな食材が良くて、どんな食材がダメなのか、とても判断が難しいと思います。
そんな時には、「Mykinso IBS」という、これも無料のアプリがありますので、ご紹介します。
このアプリも、先ほどの「あすけん」と同様に、毎食食べた食材を入力していきます。
例えば、お腹に優しい食材を緑色、少し注意な食材を黄色、控えた方が良い食材を赤色で表示され、
どんな食材に気を付けたら良いかが分かりやすいです。そして、食事内容と同時に、
便の状態や腹部症状、ストレスの状態なども入力するので、調子が悪い時に、どんな食材を
食べたかを後で追跡しやすく、今まで気が付かなかった食事が実は良くなかったと分かる可能性があります。
しかしこのアプリの注意点としては、「あすけん」のように何かアドバイスを教えてくれるのではなく
あくまで自分で食事内容と体調を入力し、自分で評価する目的だということになります。
ずっと長期間は付けなくても良いので、しばらくやってみて、食材の理解と、体調が悪くなる食材の把握が
できれば、やめても良いのかなと思います。
というわけで、今回のブログでは、改めてタンパク質摂取の重要性の説明、
タンパク質を摂れる献立の本やアプリの紹介、食物繊維などのお腹に良い、悪い
食材を把握できるアプリの紹介をしました。是非、お子さんの健康管理だけでなく
ご家族皆さんの健康のために、ご活用いただけたらと思います。
栄養の内容は、なかなか複雑なので、是非、色々本やアプリを活用いただきたいと思います。
管理栄養士さんに相談するのも良いと思います。
Webで栄養相談を受けられるサイトもあり、それらを利用するのもお勧めです。
当院横の調剤薬局さんでも、オンラインの栄養相談をされているらしく、
当院の治療内容に関して、患者さんが栄養相談が可能かどうか問合せをしています。
有料とはなりますが、良かったらまた相談してみてください。
最後に付け加えとして、確かにタンパク質はとても重要だと説明しました。
しかし例えば、摂食障害の子がいたとします。多くの摂食障害の子は、カロリーの多い
炭水化物を極力食べない子が多いです。そして野菜などが中心になるのですが、
魚やササミなどは比較的安心できると食べる傾向にあります。
すると、魚やササミなどのタンパク質をしっかり摂っているから大丈夫!と言われるのですが
ここは要注意です。摂食障害の子は、そもそものカロリーが不足しているため、
折角、タンパク質を摂ったとしても、まずエネルギー源として使われてしまうため、
筋肉や血液、酵素、抗体などを作ったり、神経伝達物質を作ることができません。
なので、摂食障害の子は、心身の不調がなかなか良くならないということになります。
栄養はバランスが大事だということになります。






