お世話になりありがとうございます。
先日のブログで、赤外線治療(スーパーライザー)の結果をもとに、
起立性調節障害(OD)が腸内環境によって悪化し、
腸内環境を整えることが治療に繋がる可能性を考えているとお伝えしました。
それを説明するにあたり、いくつかの重要な概念や用語を説明する必要があります。
これから10回に分けて、それらを一気に説明していきたいと思います。
そしてその概念や用語を理解いただいた上で、今回の治療法について
まとめて説明したいと思います。毎日、1回ずつブログを更新します!
まず今回は「脳腸相関」という概念です。
これは、脳と腸が、自律神経や免疫、ホルモンのネットワークにより
お互いに関連し合っているという考えです。例えば、緊張すると
下痢になったり、不安や落ち込みがあると、お腹が痛くなったりします。
逆に、腸の状態が悪くなると、睡眠の質が悪くなったり、集中力の低下などが
見られるようになり、普段の生活でそのように実感される方も多いかと思います。
腸は脳とは独立した、独自の神経ネットワークを持っていて、腸は「第2の脳」とも
呼ばれることがあります。腸には神経細胞が1億個以上もあり、脳に次いで多いと言われています。脳と腸の情報伝達は、神経を伝わる場合、秒速数十メートル、つまり1秒の10分の1から100分の1レベルの速さでやり取りができると言われています。
自律神経は、アクセルの交感神経と、ブレーキの副交感神経に分かれると以前に説明しました。腸の働きは、特に副交感神経である「迷走神経」が重要になりますが、人間はストレスを感じると、ブレーキである迷走神経の働きが弱まり、アクセルとなる交感神経の働きにより、腸の動きが乱れてしまいます。その結果、腹痛、胃痛、吐き気、下痢、便秘、お腹が張る(腹部膨満感)などの症状が見られます。主な疾患としては、過敏性腸症候群(IBS)が有名です。
そして腸の中には腸内細菌がいるのですが、その数は約40兆〜100兆個、重さにして1〜2kgもいるとされています。腸内細菌には、善玉菌、悪玉菌、日和見(ひよりみ)菌がいて、普段は善玉菌が消化を助けたり、エネルギーや栄養分の合成、免疫の調整などに関わっています。全身の免疫を調節する機能としては、腸による免疫が全体の約70%と言われていて、腸の環境がとても大事だと分かります。ところが、交感神経が活発になると、腸の動きが悪くなり、腸内細菌のバランスが崩れ悪玉菌が増え、様々な腸の症状を起こしたり、アレルギーや免疫に影響するなど悪い状態になってしまいます。
腸の中では、様々な神経伝達物質が作られるのですが、それには例えば、リラックスに必要なGABA、意欲に必要なドパミン、精神安定に必要なセロトニンなどがあります。特にセロトニンは、約90〜95%が腸内で作られ、腸の状態が悪くなると、セロトニンが低下し、不安、うつ、イライラなどが見られることとなり、腸の状態がとても重要であるということになります(摂食障害の子が、栄養状態が悪くなると精神症状も出るのは、タンパク質不足や腸内細菌の減少によりセロトニンなどが減ってしまうのが大きな原因)。
精神症状というと、脳に問題があると考えてしまいますが、このように脳だけでなく、実は腸の環境もとても重要ということになります。そして、腸の環境を整えることで、様々な病気を治療したり、予防することに繋がると、最近は色々な所で言われるようになってきました。そういう意味で、食事というのは、自分自身の体のためにしっかりバランス良く食べないといけないのですが、実は、腸内細菌にしっかり栄養を与えるために食べる必要があるのです。これからは自分の中の「腸内細菌」を可愛がってあげて、是非大切に育ててください(?)。
今回は、脳と腸が脳腸相関によりとても関連していて、精神症状や自律神経の症状など様々な現象が腸の状態に影響されること。そして腸の環境を整えることで、病気の治療や予防ができるようになると説明しました。次回は、「リーキーガット」という概念について説明したいと思います。
