いつもお世話になりありがとうございます。
5月になってから、気温の寒暖差が大きくなったり
雨も多かったりで、体調がしんどい方も多いのではないでしょうか?
特に朝が起きにくかったり、体がだるい・重い、
頭が痛い、めまい・立ちくらみがする、肩こり、冷え性、
気分が憂うつでやる気がしない、イライラするなど・・。
暑い日だけでなく、気温差が大きい日、
雨の日だけでなく、曇りの日や、雨の前日などにもしんどくなる
場合もあります。
去年もこの時期に同じような書き込みをしましたが
やはりこの時期は季節の変わり目でしんどくなりやすいので
注意してください。寒暖差や気圧の変動が大きくなると、
体温や汗の調節が頻回に行われるようになり、
そのために、自律神経(交感神経と副交感神経)の切り替えが
うまく出来ずに、循環や代謝、睡眠などに悪影響を及ぼします。
思春期のお子さんで、この調節機構がうまくいかなくなった状態を
起立性調節障害と言いますが、診断までは付かないけど、
大人でもこの時期に、朝が起きにくかったり、倦怠感、頭痛、
めまい、気分のしんどさなどの症状がある場合も多いです。
そして今年は、3月以降、新型コロナウイルスの影響のため
ずっと休校が続いていました。すっかりお休み生活に慣れてしまい、
生活リズムが崩れているお子さんも多いと思います。
緊急事態宣言が解除され、少しずつ登校も再開されていくようになりますが、
季節の変わり目に加えて、学校や勉強が急に始まる事に心身が付いていかず
今年は例年以上に、6月、7月に調子を崩すお子さんが多くなるのではと
危惧しています・・。学校を楽しみにしていて、すぐに元気に登校される
お子さんも多いでしょうが、生活リズムが大きく崩れていたり、
学校に行きたくない気持ちが強い場合は、自律神経症状が出てしまい、
朝が起きられなかったり、頭痛、腹痛、めまい、立ちくらみなどの症状で
遅刻、欠席がちになることも多くなる可能性があります。
今から出来る対策として、学校が始まるにあたり、今まで通り、早寝・早起きの
習慣に戻すようにすること。睡眠時間をしっかりとること。栄養のある食事を
きちんと摂ること(特に朝ごはんが大切です)。ビタミンA、B群、C、Eや
カルシウム、蛋白質やクエン酸などを積極的に摂ることが有効と言われています。
そして水分をしっかり摂ること。散歩やジョギングなどゆっくりとした運動を
心がけること。日光をしっかり浴びること。寝る前にゲームやスマホを
触らないこと。同時に肩こりにならないようにすること。
アレルギーや黄砂で症状が出る場合は対策をすること。なども大切となります。
スマホに、次の無料アプリをインストールしておくのも良いかと思います。
「頭痛ーる」というアプリで、住んでいる地域を入力しておくと、
今後の天気や気圧の予測が表示されます。気圧や気温の変動が大きい時は
スマホにアラートが表示され、頭痛などでしんどくなる可能性があるので
注意できるというものです。しんどくなりそうな時を教えてくれるだけでなく
どういう時に自分が症状が出るかを認識出来るので、とてもオススメです!
もうすぐ学校ということで、学校が始まると、親御さんも生活環境が急に変わり、
大変かと思いますが、イライラしてお子さんを叱咤したりしないようにも
気を付けてください。
もしも今の段階で既に上記のような症状でしんどかったり、
これからそのような症状が出てくるような場合は、
起立性調節障害の診断や治療を早めにした方が良いため
早めの受診をお勧めします。
また既に起立性調節障害で治療中の方で、休校中は落ち着いていて
内服を中断されていた方もおられるのではないかと思います。
学校が始まったり、梅雨や気温の上昇などで、また症状が悪化することが
懸念されるため、早めの治療再開をお勧めします。
現在、起立性調節障害などのご相談は、夜の一般外来(17時から19時)で
対応しており、この時間帯は、風邪や熱のお子さんはおられません。
コロナウイルス感染が心配で受診を控えられている方もおられると思いますが、
どうぞご安心して来院ください。