いつもお世話になりありがとうございます。

 

今年も残り1ヶ月になりました。かなり寒くなり、朝も暗いので、

なかなか起きにくい方も多いのではないのかと思います。

朝はとても得意な院長ですが、この季節はやはり少し起きるのが

しんどくなります。

 

起立性調節障害の方も、皆さん、やはり朝が起きるのが辛く

なってきているようです・・。この辛い時期、少しでも

起きやすくなれるよう、医学的に根拠がある事もない事も含め

対処法について考えてみたいと思います。

 

まずは一番大切な事ですが、睡眠時間をしっかりとるという事です。

寝不足であれば、当然朝は起きにくくなります。人により何時間

眠れれば十分かは違いますが、少なくとも7〜9時間は眠るように

したいものです。

 

ただ長く眠れば良いという訳ではなく、眠る時間も大切です。

夜に強い光を浴びると、メラトニンという睡眠を調節するホルモンの

分泌が悪くなるため、睡眠リズムが乱れる事になります。

遅くても0時には布団に入るようにし、眠れなくても良いので

電器を消すようにしましょう。その際、ゲームや携帯、読書などは

避けてください(特に携帯のブルーライトは、自律神経や内分泌系に

悪影響を与え、メラトニンの分泌を抑制するので眠れなくなります。

携帯にブルーライトをカットするアプリがあるので、インストール

しておくと良いです)。リラックスできる音楽も有効ですが、

興奮するようなテンポの速い曲は逆に眠りにくくなります。

 

眠る前に、ストレッチなど軽い運動をするのも有効です。激しい運動をすると

逆に眠れないので注意してください。少しぬるいお風呂やシャワーも

リラックス効果があると思われますので有効です。15分以上

湯船に浸かるとリラックスできるそうです。

 

眠る前に、お白湯やホットミルク、ホットココア、豆乳、ハーブティー(ラベンダー、カモミールなど)、甘酒などはリラックス効果があると言われています。逆に、カフェインを含むコーヒーや糖分の多い飲み物、冷たい飲み物は眠りにくくなるので、控えるようにしてください。

 

普段の食べ物にも快眠につながるものもあります。トリプトファンというアミノ酸をしっかり摂ると、セロトニンという感情や睡眠のコントロールを行う情報伝達物質の量が増え、またセロトニンが増える事で、睡眠のリズムを調節するメラトニンが増える事になります。トリプトファンを多く含むものとして、肉、魚、卵、豆類、乳製品などタンパク質を含む食品が挙げられます。これらを特に朝食に摂ると理想的だと言われています。ファストフードやお菓子などではなく、日頃からバランスの良い食生活を意識しましょう。

 

寝る時の環境も重要です。枕の高さや材質など、自分の体に合った物を見直すと共に、布団やベッド、部屋の明るさ、温度、騒音などについても、睡眠に影響するものがないか検討してみてください。香りも重要と言われ、特にラベンダーの香りは安眠に有効です。アロマやポプリなど、あまり強過ぎない程度に香りを取り入れてみるのも良いですね。

 

意外と見落としがちなのが肩凝りです。姿勢が悪かったり、重いカバン、勉強やスマホ、パソコンなど、肩凝りになる原因は多いのですが、自分には肩凝りはないと思っている方が多い方が沢山います。家族にマッサージをしてもらったり、ストレッチをする、湿布やアンメル○ン(一応伏字・・)などの塗り薬などは、かなり眠れるようになる場合があります。是非試してみてください。

 

眠れなくても、焦ると余計に眠れなくなります。眠れなくても大丈夫と考え、焦らないようにしましょう。

 

しっかり睡眠をとる対処法について説明しましたが、次に起きる時の対処法について例を挙げてみたいと思います。

 

起立性調節障害などで朝が起きられない方は、いくら呼びかけても体を揺すっても、何をしても意識がありません。そのような方は、起きなくても良いので、とにかく朝に起こしてもらうリズムを付けてもらうようにしてください。その際、起きないからと言って、怒ってはいけません。

 

カーテンを開けたり、電器を点けて、部屋を明るくします。布団もはがすようにしてください。大音量の目覚まし時計よりも、設定した時間が来ると徐々に明るくなる光目覚まし時計というものが有効という意見もあります。心地の良い音楽をかけるのも有効かと思います。

 

何となく意識はあるけど体が動かない場合には、手足を動かしたりマッサージをすると良いかと思われます。手をグーパー・グーパーと繰り返し動かすと、体のだるさが取れて起きやすくなります。また、口を開けたり閉めたりを繰り返す事も、脳をしっかり覚醒させるために有効かと考えます。

 

ご家族の方が起こされることが多いと思いますが、怒りながら起こすと逆に反発し起きにくい場合がありますので、怒らずに起こしてあげてください。そして起きられたら褒めるようにしてあげましょう。

 

他に有用な対処法として、普段から水分をしっかり摂る(1.5〜2L)、塩分も小さじ半分くらい摂る、なるべく午前中に日光を浴びるようにする、休日も平日と同じように生活し睡眠リズムを崩さない、ストレスをためずリラックスを心掛けるなどが挙げられます。それでも眠れない、起きられない場合は、睡眠リズムを調節する内服薬や、起立性調節障害の治療としての昇圧剤、リラックス効果を高めるための漢方薬など、様々なお薬も提案できますので、またご相談ください。