こんにちは。いつもお世話になりありがとうございます。

早いもので今日から3月ですね。少しずつ寒さも和らいできているようです。

インフルエンザ大流行の影に隠れて以前から密かに溶連菌が流行っていましたが、インフルエンザが下火になるにつれ、最近溶連菌がかなり増えてきていますので注意してください。

溶連菌は、正式にはA群β溶血性連鎖球菌と言う細菌感染により起こります。咽頭炎や扁桃炎を起こし、のどの痛みがかなり強いのが特徴です。熱は38~39℃ほど出る事がありますが、3歳未満の小さなお子さんでは出ない事もあります。舌がイチゴのようにブツブツしたり、体に発疹が出る場合もあります。春(冬)から初夏にかけて流行が見られますが、他の季節でも感染は多いです。潜伏期間は2~5日程度と言われています。

のどの粘膜から迅速検査を行い診断をします。抗生剤の内服で治療をしますが、内服後、1、2日もすればすぐに熱も下がり、登園や登校も抗生剤を内服し24時間以上経てば可能になります。しかし熱が下がり元気になったとしても、抗生剤は必ず10日間内服を続けてください。治療が不十分の場合、腎臓に炎症を残し、急性糸球体腎炎という合併症を起こす事があるからです。

急性糸球体腎炎は、溶連菌感染後、10日前後で血尿や、まぶた、足の浮腫みなどが起こります。尿が出なくなり血圧が上がって頭痛を起こしたりするため、入院の上、水分、塩分などの厳格な管理が必要になります。そのため、溶連菌の診断や治療はしっかり行う必要があるのです(溶連菌感染が分かったら、以前は月に2回ほど尿の検査をしていましたが、最近はしない事もあります)。

また稀にですが、リウマチ熱(高熱、関節痛、発疹など)や、血管性紫斑病(手足の出血斑やあざ、関節痛、腹痛など)の合併症が見られる事があります。

溶連菌は、一度治っても、また感染する場合があります。兄弟や家族同士でうつし合う場合は、家族同時に治療を行う場合もあります。また扁桃腺が普段から大きく溶連菌感染を繰り返す場合は、扁桃腺(あるいはアデノイドという組織)を切除する事も考慮します。

一般的にインフルエンザより全身状態はしんどくない病気ですが、見逃すと合併症を起こす事があるため、早めの受診をお勧めします。

色々な病気が流行って大変ですが気を付けてください。