昔は細かったのにな」


夫の声も
なかなか妻には届かないものである。

なにしろ言ってる夫も
立派な腹をした中年おじさんなのだから。


「あんたに言われたくない」


そう返ってくるのは当然である。



妻に痩せて欲しいなら、
まず自分の内臓脂肪を
スッキリ落としてみてはどうだろうか。



内臓脂肪を落とすには
食事制限しかない。


夫か妻か、 
日頃、食事を作るのはどちらにしろ、
一方が痩せようとするならば、
いちいちダイエットメニューと
普通のメニューとに分けて作るのは、
なにかと面倒くさいものがある。


実際私も、作るのが面倒で
毎日夫のお弁当の残りである、
ササミとサラダを
同じように食べ続け痩せたことから、

自分が行うことによって、
自然に妻も巻き添えにしようとする
企みでもある。






また、夫がダイエットをすることは、
妻がダイエットを始める言い訳にもなる。

どういうことかと言うと、
女同士が集まった時、 
大抵そこには甘い菓子がある。

ランチの後のデザートのこともあれば、
「食べて、食べて~」
と各々が持ち寄る菓子でもあるのだ。

もし、そのような場で、
「私、ダイエットしてるから食べない」

などと言おうものなら
一気にそこにいる女たちの
菓子への手が止まるのだ。



「わぁ、凄いわー、大変ねー」
「どうしてー?」
「どんな風に?」

などと、やたらと聞いてくる人が、
必ず一人はいるもの。

その心の裏には、
抜け駆けされた思いがあるのだ。


そこで、

「いやね、主人がいきなりダイエットするって言うもんだから、わざわざダイエットご飯と分けて作るの面倒でしょ? だったらこの際私もついでに、ってなったの」

と、自分の意思ではなく、仕方なく…と
言い訳出来るからだ。



女は、
ダイエットすることに後ろめたさがある。

痩せて綺麗になろうとしてる、って
思われるんじゃないかと。



自分が、食欲を抑えられず
食べてしまうもんだから、
他人が同じように食べてるのをみて、
弱い意思を正当化し、
女友達がダイエットに励むのを
どこかで妨げようとする。

女には、
痩せて綺麗になろうとする女の足を
引っ張る習性があるのだろう。


夫がダイエットすることは、
妻がダイエットすることへの遠慮を取り払い
心置きなく取り組める環境作りにもなるのだ


ダイエットは、
夫婦二人の共同作業なのである。



ボディメイクコーディネーターYoko