うさぎカウンセリング代表、
ウーンデッド・ヒーラー(傷ついた癒し手)の西岡です。

 

あまり聞きなれない方もいらっしゃると思いますが、フォーカシングとは
心の中のもやもやしたものと向き合うことで苦しみをやわらげていく心理療法です。
言葉は聞きなれなくても、実際のカウンセリングでよく利用されている心理療法です。

クライエントがはっきりと状態を説明出来ない、言い淀むような微妙な心の動きや
感情について、どんな感じがするか?その気持ちになったとき、漠然と体感的に
感じるものがあるか?を心を落ち着けた状態で探ります。
この感じるものを探すのがフォーカシングの一歩です。

この鍵となる感覚を専門用語で「フェルトセンス」と言いますが
覚えなくても大丈夫。
フェルトセンスは、気になる感覚を自分の内面と向き合うことで探していきます。
自分の内面と向き合って見えてきたものを、
「こういう感覚・気持ちが存在するんだ」
と認めていきます。

自分の内面と落ち着いた状態で向き合ってフェルトセンスを探す行為を
一人で行うのは困難な場合や見つけにくい方もいますので、カウンセラーも
クライアント様がどのように感じているか?を、お尋ねしたりすることで、

フェルトセンスを探すお手伝いをさせていただきます。

フェルトセンスが見つかれば向き合うことで、カウンセリングを進めていきます。
向き合う際、「頭で考えずに感じること」「心をそのまま受け入れる」「好奇心をもってみる」
「自分の全てではなく一部に過ぎないことを理解する」の4つの態度が大切です。

フェルトセンスとの距離感が近すぎると苦しい、遠すぎるとよく分からないことも
ありますので、適度な距離感をもって付き合っていただくことも重要です。
フェルトセンスを体外に出して話すイメージで接することが出来ると、解放された気分を
味わえる効果もあります。

外に出したり、戻したり出来るような状態を体感出来ると、今度は対話に向けて、
準備段階に進みます。
準備段階では、しばらく感じてもらったり、フェルトセンスに呼び名を付けてみたり、
触ってみるイメージをしたりと、初対面の人と話すようなことをします。

対話が進むようになると、クライアント様はどのように感じているか?
フェルトセンスからのメッセージのようなものを感じているか?
対話によってクライアント様が負担を強く感じていないか?
を含めカウンセラーとクライアント様で気付きや変化を確認します。

このようにして自分の内面に隠された感情や思い込みとの対話をクライアント様
自身の努力とカウンセラーのお手伝いで療法を進めることで、クライアント様が
本来持っている力を支える形でカウンセリングを実施していきます。

フォーカシングはその特徴から長期的な療法になることは多いです。
クライアント様ご自身が変化や感覚から学び、本来の心の力を取り戻して
日常生活を送るようになるため、現在でもカウンセリングで広く利用されています。

カウンセラーによって進め方が異なる場合もあると思いますが、
今回はそんなフォーカシング療法について概略を説明させていただきました。