TAJIRI選手が語る5・29『SMASH.3』完全ガイド! | 酒井正和 オフィシャルブログ Powered by Ameba

TAJIRI選手が語る5・29『SMASH.3』完全ガイド!

TAJIRI選手が語る5・29『SMASH.3』完全ガイド!


いよいよ開催間近となった5・29『SMASH.3』(新宿FACE)。今大会では、北欧フィンランドのプロレス団体FCFの日本初上陸、ジュニアヘビー級の重鎮“ムササビ”AKIRA参戦、そしてメインイベントではKUSHIDAが新日本プロレスのプリンス・デヴィットと“ジュニア新世代対決”など話題豊富なカードが出揃っている。そんな中、プロレス部門のプロデューサーを務めるTAJIRIに各試合の見どころを語ってもらった。

――さて、いよいよ5・29『SMASH.3』(新宿FACE)が近づいてきました。
TAJIRI 今回のショーに関して言えば、まさに“未知との遭遇”ですよね。人間が未知なる物と実際に遭遇したときに何が起こるのか。そのワクワク感というか、楽しさというか、そういうものを感じることができるのかなと。これほど初物が見られるショーというのもないと思うんですよ。僕自身も今から凄く楽しみですからね(笑)。
――それでは、各試合の見どころを語っていただきます!
TAJIRI 語らせていただきます(ニヤリ)。


■第1試合:AKIRAvsゴーレム・ナイト
TAJIRI ゴーレムはエルサレムで生まれて、どこでデビューしたのかは僕もちょっとわからないんですけど、世界中を放浪しながらプロレスをやってるみたいなんですよね。
――ゴーレム選手は、現在はカナダを主戦場にしているようですね。
TAJIRI そうみたいですね。画像が汚すぎてどこの国で撮影したものかわからないんですけど、彼の試合動画を見たら、とにかく相手が来たらちぎっては投げて、最後はラリアットで仕留めるという猛獣のようなパワーファイトだったんですよ。
――技巧派のAKIRA選手とは好対照ですね。
TAJIRI まあ、AKIRAさんが負けるなんてことはいろんな意味でないとは思うんですよね。ただ、この試合はゴーレムのトライアウトマッチなんですけど、ファンはAKIRAさんを査定するような感じで試合を見ると思うんですよ。やっぱり、AKIRAさんがSMASHのリングでどのようなファイトを見せるのか、これはファンも気になるじゃないですか。それで、これは僕の直感なんですけど、今まで他の団体では見られなかったかっこいいAKIRAさんが見れるような気がするんですよね。
――なるほど。そのAKIRA選手についてですが、TAJIRI選手は「旗揚げするずっと前からある時期が来たらAKIRAさんにお願いしようと思ってたんです」と、先日の会見でおっしゃってましたよね。
TAJIRI とにかく僕は、AKIRAさんのかっこ良さはSMASHのリングにピッタリなんじゃないかと思ってたんですよね。そして、SMASHの将来を考えても、AKIRAさんがいるだけで心強いというか、土台がしっかりするのではと感じたんですよ。例えば、児玉(ユースケ)や小路(晃)さんがAKIRAさんと闘ったら、レスラーとして凄い経験値が得られるんじゃないかなと。だから、そういうカードなんかもそう遠くないうちに組まれることになると思います。
――AKIRAvsゴーレムの試合展開についてはいかがですか?
TAJIRI これは例えるなら、仮面ライダーvs怪人のような試合になるんじゃないですかね(笑)。とにかくかっこいいAKIRAさんがSMASHのリングで見られるはずですよ。


■第2試合:大原はじめvsジェシカ・ラブ
TAJIRI これはもうジェシカに尽きますよ。今年の2月にフィンランドに行ったとき、ジェシカをひと目で見て惚れちゃってですね(笑)。そのときに僕はジェシカに話しかけたんですけど、ジェシカが僕のことを凄く警戒してるような目で見るんですよ。外国人の女の子が怪しい東洋人にナンパされて、警戒してバリアを張ってるような毅然とした態度で対応されちゃって、あれはビックリしましたねえ(笑)。
――ジェシカ選手は身も心も女の子なんですね(笑)。
TAJIRI 例えば、メキシコなんかにもオカマレスラーはいるんですけど、ああいうのとジェシカはまったく違うんですよ。背はすらっとして高いんですけど、パッと見た感じは普通の女の子って感じですよね。
――ジェシカ選手に関しては、すでにファンからも多くの注目を集めています。
TAJIRI 僕がフィンランドで彼女の試合を見たとき、彼女は入場時にテーマ曲に乗りながら軽快なダンスを披露してたんですけど、これがまた凄くいいんですよ。で、もうひとつ注目ポイントを挙げるとすれば、これは専門誌のインタビューでも話したんですけど、ジェシカがコーナートップからスワントーン・ボムをやったときですね。まるで巨大なリカちゃん人形が空から降ってくるような不思議な光景ですから、これは必見です。
――そのジェシカ選手の対戦相手として、大原はじめ選手を選んだ理由は?
TAJIRI まあ、レスラーには攻めと受けのタイプがあると思うんですけど、大原は究極の受け型で、こういうジェシカのような未知数の相手に当てるとすれば、大原というのは最高の選手なんですよ。あとは、そういうオカマレスラーというのは、大原もわりと好きなんじゃないかなと(笑)。
――でも、大原選手に聞いてみたところ、ジェシカ選手と闘うことにかなり抵抗を感じてるようですが。
TAJIRI でもまあ、大原もああ見えてアキバ系とかが好きだったりしますからね。実際はどうかわかりませんよ(ニヤリ)。


■第3試合:小路晃&朱里&児玉ユースケvsキム・ナンプン&Mentallo&リン・バイロン
TAJIRI この組み合わせも楽しみですねえ。それで、SMASH初参戦となるキムさんは、何かこう説明不可能な面白さがあるんですよ。例えば、Twitterとかでもファンにどんどん話しかけていって、気がつけばDDTの高木三四郎選手にも話しかけてるじゃないですか(笑)。ああいう感じでキムさんは試合にも入り込んでくるような感じがするんですよね。あとは、やっぱりリンが注目されると思うんですよ。
――確かに、4・23『SMASH.2』(新宿FACE)で衝撃のデビュー戦を飾ったリン選手は、さらに注目を集めることになると思われます。
TAJIRI 小路さんみたいな身体が大きい選手、そして児玉のようなキャリアの少ない新人を相手にリンがどういった形で自分の良さを出せるのかっていうのは見てみたいですね。それと、リンの横にいるキムさんとMentalloに存在感でも負けないでいられるのかっていうのも非常に注目ですよ。
――キム選手、Mentallo選手、リン選手、いずれも強烈な個性、キャラクターを持った選手たちです。
TAJIRI その個性派揃いのチームを相手に、前回の試合で大ブレイクした小路さんがさらなるインパクトを残すことができるのか、これも気になるところですよね。さらに、小路さんは朱里、児玉をリードしなければいけない立場にもありますし、なにかこう兄貴分的なリーダーシップを発揮するという小路さん本来の一面が見られるはずですし、この試合でさらなるステップアップをするんじゃないかなっていう気がします。そして、朱里ですよね。
――大会当日は、“女子プロレス界の異端児”と呼ばれている華名選手が来場予定です。
TAJIRI そうなんですよね。それで、朱里自身は華名選手に対して「私には関係ない」っていうスタンスみたいなんですけど、やっぱりどこか意識する部分はあるんじゃないかなと。それが試合に悪い影響をしなければいいんですけどねえ。
――試合展開に目を向けると、この試合はちょっと予測不可能な闘いになりそうです。
TAJIRI でも、気がつけばMentalloがすべてを上手くコントロールしちゃいそうな気もするんですよ(笑)。


■セミファイナル:FCFチャンピオンシップ ヴァレンタインvsTAJIRI
TAJIRI おそらく北欧のタイトルマッチが日本のリングで行われるというのは、史上初めてのことなんじゃないですかね。だからこそ、もしこのベルトを僕が獲ることができたら、欧州マット界における日本への認識がまた変わると思うんですよ。たぶん、彼らは新日本と全日本ぐらいしか知らないと思うんですけど、そこにSMASHというのが突然入り込んでくるんじゃないかなと。そのためにも、僕はこのベルトを絶対に獲りたいんですよね。
――そんな中、対戦相手となるチャンピオンのヴァレンタイン選手はいかがですか?
TAJIRI フィンランドに行ったときに彼の試合は見てるんですけど、まさにハーリー・レイスやニック・ボックウィンクルのような往年の世界チャンピオンっていう感じのスタイルを持った選手なんですよ。ただ、そうかと思えば、その場跳びムーンサルトプレスをやったりとか、垂直に高く飛び上がってジャンピング・ニーパットをやったりとか現代的なエッセンスもそこには加わっていて、オールラウンドプレイヤーの一面も持ってるんですよね。あとは、顔がとても怖いんですよ(笑)。
――顔がとても怖い(笑)。
TAJIRI 凶悪犯みたいな顔をしてるんですよねえ(笑)。
――4・23『SMASH.2』(新宿FACE)のエンディングで流された映像でヴァレンタイン選手が登場してましたが、確かにちょっと狂気じみていると言いますか、危ない雰囲気を持った印象を受けました。
TAJIRI 本当に何を考えているのかわからないっていう恐怖感はありますよね。
――先ほどのお話にもありましたが、この試合でTAJIRI選手がベルトを奪取できれば、SMASHに初のベルトがもたらされることになります。
TAJIRI 考えてみれば、僕にとってもWWEを辞めて日本に帰ってきてから初のベルトになるかもしれないんですよね。
――調べたところ、TAJIRI選手が日本で獲得したタイトルは、大日本プロレス時代に獲得したBJW認定ジュニアヘビー級王座のみなんですよね。これは意外でした。
TAJIRI そうなんですよ。それで、聞いたところによるとFCF王座っていうのは、そのベルトを獲得したいがために欧州の各国からいろんな選手がフィンランドにやって来て挑戦してるみたいで、それをかつてはFCFのボスであるスターバックが防衛して守り続けていたベルトなんですよね。だからこそ、SMASHが欧州というマーケットに割って入るためにも、このベルトは何がなんでも獲りに行きたいですねえ。


■メインイベント:KUSHIDAvsプリンス・デヴィット
TAJIRI 新日本のジュニアヘビー級にはいろんな選手がいますけど、いま一番目に付くのはやっぱりデヴィットなんですよ。だからこそ、僕はKUSHIDAvsデヴィットっていうのはどうしても見たかったし、一発目に持ってきたかったカードだったんですよね。そして、KUSHIDAにとっても新日本ジュニアの中で一番興味があったのは、やっぱりデヴィットだったと思うんですよ。そういう意味でも、この試合でKUSHIDAがデヴィットに勝てば、日本のジュニア界の勢力図がガラリと変わって、KUSHIDAが一気に浮上してくると思うんですよね。
――KUSHIDA選手にとっては、デヴィット戦の翌日には、新日本プロレスの『BEST OF THE SUPER Jr.』開幕戦が控えています。
TAJIRI そう考えると、KUSHIDAはデビットと試合をして、翌日には開幕戦でライガーさんと試合なんですよね。この連戦は相当キツイなあ(笑)。
――改めて、TAJIRI選手から見たデヴィット選手というのはいかがですか?
TAJIRI デヴィットとは新日本で何回も当たっているんですけど、リング上で向かい合ったとき、ジュニアヘビーの選手じゃないような大きさを感じたんですよね。ファンから見たデヴィットのイメージっていうのがあると思うんですけど、実際に当たってみるとそのイメージとはまったく違った印象を受けたんですよ。やっぱりそれだけ彼はしっかりした選手なんですよね。
――どういった試合展開になると予想されますか?
TAJIRI 先日JCBホールでやった新日本のジュニアタッグトーナメント準決勝で二人はちょっと絡んでましたけど、お互いにまだ何も見せてないと思うんですよ。本で言ったら、まえがきの段階ですよね。そう考えると、KUSHIDAとデヴィットというのは、今回の試合をきっかけに今後何回も闘っていく関係になるんじゃないかなと。もしかしたら、僕とスペル・クレイジーのような関係になってくるような気もするんですよね。
――つまり、ライバルストーリーがここから始まる可能性もあると。
TAJIRI KUSHIDAもそろそろライバルを見つけないといけない時期にあると思うんですよね。そして、ライバルというのは自分の手で見つけないといけないんですよ。
――逆に、デヴィット選手にとっても、まだライバルというのは存在しないような気もするのですが。
TAJIRI そうなんですよ。でも、デヴィットに関しては、周りがデヴィットのライバルという座を狙ってるっていう感じはありますよね。そこにKUSHIDAが割って入って、一気に奪い取りに行かないといけないんですよ。だから、試合に勝った負けたでどっちのジュニアが強いとかそういう世界もあるのかもしれないですけど、そんなちっぽけなことよりも、僕はこの試合でもっと大きなものをKUSHIDAは見せてくれるんじゃないかなって気がしますね。


■「SMASHを世界のフリーポートにしていきたい」
――今回のラインナップを見ますと、日本人選手vs外国人選手という図式になりました。
TAJIRI まあ、これは日本人選手と外国人選手の数がちょうど半々になっただけのことで、まったく狙ってもいなければ意識もしてないんですよね。それがまたSMASHらしいというか(笑)。例えば、WWEでレイ・ミステリオvsTAJIRIという試合が組まれたときなんかは、勝手にメキシコvs日本みたいな感じになってるじゃないですか。他の試合なんかでも、アメリカvsカナダみたいな感じでファンが国旗を掲げて盛り上がってたりしますし。だから、あえて狙わなくても自然にそういう図式にSMASHもなっていければいいと思うんですよね。人種も性別もまったく関係ない、世界各国からいろんな選手が自由に集まってくるフリーポートのような団体にしていきたいですね。


■5・29『SMASH.3』(新宿フェイス)全対戦カード(開場17:00 試合開始18:00)

[メインイベント]
KUSHIDA
vs
プリンス・デヴィット(新日本プロレス)

[セミファイナル]FCFチャンピオンシップ
ヴァレンタイン(王者)
vs
TAJIRI(挑戦者)

[第3試合]
小路晃&朱里&児玉ユースケ
vs
キム・ナンプン&Mentallo&リン・バイロン

[第2試合]
大原はじめ
vs
ジェシカ・ラブ(FCF)

[第1試合]ワールドトライアウトマッチ
AKIRA
vs
ゴーレム・ナイト