イントゥザワイルド


裕福な家庭に育ち、アトランタの大学をハーバードのロースクールに行くことも可能なほど優秀な成績で卒業したクリス(エミール・ハッシュ)は、卒業式の後、貯金をすべて慈善団体に寄付し、現金とカードも燃やしてしまって、あてのない旅に出ます。


車が壊れたので移動は基本的にヒッチハイク、時に労働して資金を稼ぎ、様々な印象深い出会いと別れを繰り返しながら1年以上を過ごし、ついに最終目的地アラスカに到達しました。


ショーン・ペン監督の映画とは相性が良くないことが多いみたいなのですが、今回は予告で観たアラスカの光景にヤラれてしまいました。

で、冒頭から、そのアラスカがスクリーン一杯にぶわーんと広がり、かなりワクワクします。

すごいなぁ、アメリカってやっぱり広いんだなぁ。。。


でもその後、前半のストーリーには乗り切れず。

私自身、ちょっと変わった家庭で育ち、若かりし日には、自分の環境を恨めしく感じた時期もあったので、クリスに共感できる部分もあるのですが。。。


しかーし!お金を燃やして車もあっさりと放棄し、ヒッチハイクや無賃乗車、不法入国、その他通りすがりの人たちの好意や運でなんとかその場をやり過ごす他力本願さ、何よりも、繰り返される両親への恨み節のねちっこさに、結局は甘ったれお坊ちゃまのモラトリアムごっこですか?と覚めた目線になってしまって。


うっ。もしかしてハズレ?と、だんだんと眠気さえも感じてきた頃、アラスカでの彼の日記が「Alone!」の喜びから、「Lonely…」の悲しみに変わっていきました。


”自分探しの旅”なんて、もはや口にするのがちょっと恥ずかしいようなフレーズだし、私の狭い経験では、旅に出て自分が見つかったことって、ほとんどないのですが、彼はちゃんと成功したのですね。自分探しに。

旅の目的である両親へ復讐すること、旅の目標である両親を許すことまでも。

アラスカの荒野パワー恐るべしです。


凡人にはとても真似できない、理解もできない、なんでそんなことするの?って思いはずーっとあったけど、ラストに出てきたご本人の笑顔がとてもすがすがしくて、あぁ、結局これで良かったんだな、って、少しほっとしたような気分になりました。


きっと彼は、自分の行動の結果を真摯に受け入れることができて、満足だったんですよね。

そのままおとなしく、進学や就職をしていても、どんどん壊れていくだけだったかもしれないし。


無鉄砲な若い男の子から、荒野と戦う精悍な青年に変わっていく姿を、エミール・ハーシュが大熱演してました。

ちょっと前のデカプリオに似た雰囲気もあって、今後注目したい俳優さんです。


エディ・ヴェダー@パールジャムの音楽も、主張しすぎず、作品の世界観を上手く引き立ててくれて、染み入りました。


オフィシャルサイト:

http://intothewild.jp/top.html