読売新聞社の季刊誌「読売クオータリー」に寄稿した論考が掲載されました。テーマは、日本の人口減少と国際人材、そして日本式教育協力の可能性について。

 

全文はオンライン公開ではなく、本屋や図書館で手に取っていただく形式です。ここでは問題意識の背景だけ紹介します。

 

 

 

日本社会では、外国人受け入れをめぐる議論が目立つようになりました。外国人に対する不公平感や地域の摩擦といった生活者の不安がある一方で、地方を中心に人手不足が限界に近づき、外国人抜きでは日常サービスが回らない現場も増えています。このギャップが、議論を単純化しにくい要因になっています。

 

さらに中期的には、アジア主要国の少子化により、国際人材確保の競争が激しくなる見通しです。日本は「迎える側」から「選ばれる側」に発想を転換し、忌避感緩和と質の確保を両立する必要があるかもしれません。

 

こうした背景のもと、日本が長年取り組んできた国際教育協力は、相手国の教育制度改善や教員育成、学力と社会性を育てる学校文化づくりに関わってきました。これは開発支援にとどまらず、対等なパートナーシップに基づく信頼関係の形成にも寄与します。

 

日本式教育は、学力だけでなく、協働性や責任感といった社会・情動学習の側面を、特別活動や清掃、当番制、学級活動などの日常運営を通じて育てる点が特徴です(もっとも、学力も世界トップレベルですが)。

 

近年はインドネシア、ベトナム、エジプトなど海外でも日本式教育制度導入の動きが見られ、日本はその設計支援にも関わっています。

 

この教育協力と国際人材政策を結び付けることで、移民の段階的な受け入れルートの設計や、多文化共生に向けた土台づくりが可能になるのではないか、教育を軸にした信頼と人材の基盤づくりは、外交と内政の両面に波及効果を持つ柱になり得るのか、というのが論文の骨子です。

 

詳細は紙面にまとめました。ご関心があれば、本屋や図書館で「読売クオータリー」を手に取っていただければうれしいです。