メーカーにとっての生産体制は拠点配置問題とそれぞれの拠点の個別役割、位置づけ、そしてそれぞれの拠点の関係性などが中心になります。もちろん、司令塔ともいえる本部の統率牽引機能も忘れることができません。
トヨタのグローバルな生産体制再構築についてリリースが発表されました。
http://www2.toyota.co.jp/jp/news/10/05/nt10_0506.html
中国やインドは拡大する市場にタイムリーにこたえるため現地生産を拡大します。逆に成熟している先進国では市場変化にあわせた車種の見直しや為替変動などに強いフレキシブルな生産体制の構築に努めるとしています。
次のような地域別対応を見ていただければ内容をより理解できるのでないでしょうか。(リリースをそのまま引用)
<北米>今後も台数や収益的に重要な拠点と考えており、開発から生産準備、生産にいたる自立化を推進。また、将来的には、ハイブリッド車やコンパクト車など北米需要の動向を踏まえた生産体制に見直していく。
<欧州>技術を磨く市場として位置づけ、魅力ある車づくりをしていく。生産体制については、商品動向を見極めながら検討していく予定。
<日本>『発・支援・輸出車供給の拠点である日本』は、取り巻く環境変化に一番大きく影響を受けることから、現状の国内体制を抜本的に見直していく。
(以上原文引用)
国内生産は輸出量産車の現地生産化の推進に伴い国内は「新技術、新コンセプト、新工法への取り組み」を中心としたモデルを生産するとします。そして需要変動を吸収できるフレキシブルな生産体制に切り替えていくというものです。(モノコック、フレームの混流生産ラインの設置や、各工場、各ラインの位置付け、役割、分担を明確にし、同一プラットフォームを中心とした生産体制へ)と書かれています。もうひとつ、国内生産設備の寄せ停めをし反感差をなくする体制を作るというものです。
このトヨタのようなグローバル企業に限らず、各拠点のそれぞれのよって立つところ、それぞれの立ち位置と相互関係、そして全社的な生産コンセプトをしっかり確立することが日本企業に求められるところとなっているのでしょう。
”拠点にははっきりとしたコンセプトを”