「関空会長に元国交次官 国頼みに揺り戻し」と「脱天下り奏功 USJ、三セク成功例」という二つの記事を関西では目にします。
官の力と民の力の使い方を考えさせられる記事です。
関空会社は設立から社長は旧運輸省、会長は民間企業出身という形で03年の村山、宮本という民間コンビ体制が発足されるまで続きました。村山体制以降は顧客重視の民間手法でコストをはじくなどして結果的に黒字化に導いてきた現実が残っています。しかしながら1兆1千億という有利子負債には悩まされどうすることもできないというのも現実です。
アジアの各国との競争で後れを取っている我が国の空港問題。
民だからこそできることと、それを強力に後押しする官の力があってこそできること、この両輪を使うことの下手な我が国の現状を物語っているのでないでしょうか。
「財政問題での国の新たな支援は、関空連絡橋の買い取りだけだった」という村山社長のコメントに多くの意味を見ることができます。
一方のUSJ。大阪市がUSJの株式の公開買い付けに応じ全株売却すると発表しました。
USJは大阪市が誘致、民間企業と共同出資し第三セクターで発足、市の出身者が初代の社長につきスタートしたものでした。
全国で第三セクター方式のテーマパークが破綻する中、USJは数少ない成功例と言えるのでしょう。しかし、発足時から4代続いた官出身の社長時代は5期続けての赤字でした。
風向きが変わったのは04年のグレン・ガンベル現社長の就任からとなります。
テーマパーク事業に精通した社長をという市や出資企業の希望によるものです。
民間出身者らしい数々の施策を執行しました。そして今の経営状態を作り上げたようです。民間出身者の力を発揮したと言えるでしょう。
この関空とUSJ、民間にできないこと、官の考えではできないこと。民間の考えだからできること、官の力がなければできないことなど官と民の役割について多くのことを示唆しているのでないかと思われます。
今日のキーワード
”民と官、両輪がうまくかみ合ってこそ社会が良くなる”